地震発生の事前予知での被害軽減例!!
1975年の中国における海城地震(M7.3)は,事前に予知されて人的被害を最小限にとどめたとされています。しかしそれでも死者は1,300人を超えました。翌年,海城の400km西方で起こった唐山地震(M7.9)は予知されず,死者25万人という20世紀最大の人的被害をもたらしました。地震予知には大きな当たりはずれがあり,また,予知情報に基づいて多数住民の行動を効果的に制約できるか否かには,種々の社会的条件がかかわっていると考えられます。直前の予知は一般に,人命への危険を緊急に回避し,また,2次的な被害の発生を抑止することにつながる情報です。災害の大枠を決める1次的破壊被害を防ぐことにはほとんどつながりません。予知情報を受けてから,被害回避のための種々の対応手段をとるためには,はずれを承知したうえでの経済的コストの負担や正常な生活・社会活動の犠牲を必要とします。これを大都市域では数百万人すべてに受け入れさせることは不可能です。兵庫県南部地震において,観測値に一斉に異常が現れ直前予知が成功していたとしても,20万棟の建物全半壊等の破壊被害は不可避だったと思います。これに伴う多くの人命損傷もまた避け得ません。予知によって防げる部分は限られます。当たり外れが大きく,また対応コストが大きい場合には,予知は補助的手段にとどめるべきものだと思います。100%地震発生の確率はまずないと思わなければならないが無視することも出来ないので判断が大変だと思います。東日本大震災でも津波がこんなところまで来ることがないと人々は避難しなかったために多くの方が津波にのまれ犠牲となった。