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長押 綴

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2010.04.30
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カテゴリ:◎2次裏書
ああやっと安心出来るな、と思った。






あの村を見守り続けて数年が経ち、彼らは外国の人々、未知の物資とともに帰還した。

そこで帰還した内の一人、あの娘が妊娠したから彼らはこの村に留まることになった。


一人目は冷静な彼に似た。
そして、二人目は……


「やめろ!離せ……っ」
「諦めろ」
「嫌だ、本当にやめろ、やめてくれ!なあ、---、お前だって嫌だろ!?」
「耳を貸すな、---」
「ーお前だって、惚れた弱みに付け込んでんなよ…っおい、これ以上続けたら俺は出ていくからな!やめろ!!」

新月の夜のことだった。
僕は止めに入らなかった。
正直に言えば、この後どうなるのか、あいつがどうこの物事に影響を受けるのか興味もあった。

……外国人の面々に、あいつに目をかけている女性も居た気がするし、成長したあの少女もあいつにちらちらと意識をやっていたようにも思うが……

『甘いな』

あいつは平穏よりも限界の状況で成長する筈だ。



事が終って、結局あいつは逃げ出さないようだった。
往生際悪く堕胎に使えそうな安全で有効な手立てを探してもいたようだったが、当然ながら子孫繁栄を願う僕らのプロジェクトでそんな資料を残す馬鹿は居ない。


それからちょうどきっちり10月10日後、あいつとあの娘の子が生まれた。
生まれた子の外見を望遠鏡で見て少しがっかりした。
あいつに似ていたら、とちらりと思った。

成長させ直すか、それとも違う環境に連れて行くか…子の兄とともに戯れる様子を、幼少期の彼らに重ねるか。

だが、なんとか平和な状況と彼等全員の顔を、子はその容姿だけで保って見せた。
残念ながらも、合理的にはこれが一番かと私はため息を吐いた。

あいつが他の女性との間に家族を作ることが想像出来そうで出来なくて、実は少し不安もあったから、家族以上家族未満の絆を築いていく彼等には安心出来た。

…そうだ。神様のように私が見守っているから、安心して、今日も繁栄してほしい。





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最終更新日  2018.02.05 04:21:27
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