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長押 綴

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2010.05.10
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カテゴリ:🌾7種2次表
先頭は安居、しんがりは俺。
いつだってそうだった。


*******

カレーを作ろう

*******

俺の記憶が残っているのは、新大陸で発見した医者だの科学者だのを(主に安居とまつりが)説得して(主に俺と安居が)交渉して(主にまつりが)宥めすかして(安居とまつりが)頭を下げてさあ帰るぞ子供達を起こすぞって所までだった。


だから、過去に未練は正直ない。
下手に扱って茂のあの覚悟も、安居が狂ってまた立ち直るまでの記憶も全部なくなってしまうとしたら、ついでに夏Bとのあの馬鹿馬鹿しい旅も、要さんとの反吐が出るような決着もなくなっちまうとしたら、それは惜しい話だ。


だがこれまでの周回のパターンからすると、もしかすると本当にただ、他のチームの奴らは「見るだけ」で終わるのかもしれない。元のままの世界に、過去に戻った記憶のない俺達に会うのかもしれない。

それならば、協力しよう。
まだ彼らが見ていないこの施設の後ろ暗さを、後ろめたさを、俺達が狂うに至った経路を。





なのにどうして俺はこうしてカレーを作っているのか。
大抵の経路、特に安居が狂うまでの話は概ね既に見て、あるいは聞いて知っているようだ。
それならばどうしたものかと思っている時に何も知らない小瑠璃から声がかかった。

「涼くーん、次の授業一緒にカレー作ろう!」
「ああ」

返事した途端静まり返る周囲。

……しまったと直後気付いた時には遅く、普段の「大抵の用事を現時点で跳ねのける俺」は崩れてしまっていた。

くそ。未来で拒むことなんてなかったから油断した。


前の周回ではやはり「俺」はあらゆる誘いを断っていたようで、勝手に参加されることはあっても俺の側から協力の返事を返すことなんてなかったらしい。

何故そんなことが分かるのか。……タイムスリップして、既に何回も俺達と同じ時間を経験しているあいつらの、特に蝉丸のニヤニヤ笑いと、嵐・ナツの大してフォローになってないフォローのせいだ。

失敗だ。







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最終更新日  2018.01.03 16:22:08
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