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カテゴリ:.1次メモ
お前なんて俺の世界から消えてしまえ。 俺を必要としないお前なんて俺の必要とするお前じゃないんだから、居なくなっても痛くも痒くもない。 筈なのに。 他の奴と愉しげに話している奴を見ると、殴りたくなるのは何故だ。 「俺が悪くて仲たがいしたわけじゃないんだからお前から謝れよ」なんて言えるわけないのに。 食って掛かりたくなるのは何故だ。 そう、俺には大事な奴が他に沢山居るんだ。お前に頭の容量なんて裂いてられないんだよ。お前なんかとは違って、八方美人でもいちいち小さなことで騒いだりも人との関係に頭を悩ませるくせにいつも空回ってはいない奴らなんだよ。見てて不安にならない、嫌われるかと頭を悩ませることもない、無理しない自然体の俺と付き合ってくれている奴らが。 それでもそんなお前を、大事だと思っていた昔の俺が、「もう一度あいつと同じ世界に居たい」と訴えかけてくるから、無理していた頃の俺がどうしても忘れられないなんて言うから。 だから、この手を握ってしまったんだ。 勘違いするなよ、これは今の俺の意志じゃない。ただの未練だ。昔の俺の、まだお前が俺を大事に思っていた時の俺の亡霊だ。だから今の俺に対してお前は全く気遣いなんてしなくていい。振り払うなら振り払えよ。 「ごめんね」 ああ、どうしてそこで謝りやがるんだ。 そんなんだからお前を嫌いきれないんだ。 こうして、情けなく、目から出る水を覆う事しか俺に出来なくさせる。 お前なんか嫌いだ。 こんなの初めて言う言葉だ。お前なんか、嫌いなんだ。 「なんでも、今話してくれ。無理させてたよな。溜まってたこととか、言ってくれ」 うるせえ。黙れ。俺も黙るから。俺を理解しようとすんなよ。俺はお前なんかに理解できるほどちょろくねえんだよ。馬鹿。 ああ、でも、ここまで嫌な言葉は、他の誰にもぶちまけていない言葉で、意せずして俺は理解されるために口を開いてしまっているのか。 「これが止まったら話す」 「分かった」 「時間かかりそうだからもう帰れ」 「まだ飽きないから大丈夫」 「無理すんな」 「そっちこそ」 にやりと笑ったそいつの悪い顔は、俺が初めて見るものだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.09.24 18:57:48
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