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長押 綴

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2011.03.28
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カテゴリ:.1次メモ
‎2016‎年‎3‎月‎29‎日、‏‎16:04:31-memo.png



何に対しても思う。
自分の隣に居るー末期の病気である彼に対してさえ思ってしまうのだから、相当なものだ。
だって僕は死ぬことすらできない。

「ロビンはいいな」

 僕は君こそ羨ましい。

「小さい頃からずっとその姿だ。特に手入れもしていないのに。お婆ちゃんや、叔母さんの念でも入っているようだな」

 彼にとっての祖母、叔母は僕の元の持ち主だ。もしも彼女らの仕業なのだとしたら、すぐにやめてほしい。

 僕は何度も何度もこうして、友達を見送らなければならないのか。


 焼けても水に沈んでもずっと放って置かれても消滅できない、くすみもしない僕を唯一気味悪がらないで居てくれた君を、君たちを。


「うらやましいよ。いつかその目で見たことを、僕に教えてくれ」

 だって天国にも地獄にも会いに行けないのにどうしろというんだ。


 ぱたりと彼の手が倒れる。その一瞬だけ彼が少年に見えた。
 僕の目から一筋だけ流れたものは、僕と違って儚く消えてしまった。
2011/04/30 11:20:07 PM





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最終更新日  2016.06.03 17:19:26
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