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何に対しても思う。 自分の隣に居るー末期の病気である彼に対してさえ思ってしまうのだから、相当なものだ。 だって僕は死ぬことすらできない。 「ロビンはいいな」 僕は君こそ羨ましい。 「小さい頃からずっとその姿だ。特に手入れもしていないのに。お婆ちゃんや、叔母さんの念でも入っているようだな」 彼にとっての祖母、叔母は僕の元の持ち主だ。もしも彼女らの仕業なのだとしたら、すぐにやめてほしい。 僕は何度も何度もこうして、友達を見送らなければならないのか。 焼けても水に沈んでもずっと放って置かれても消滅できない、くすみもしない僕を唯一気味悪がらないで居てくれた君を、君たちを。 「うらやましいよ。いつかその目で見たことを、僕に教えてくれ」 だって天国にも地獄にも会いに行けないのにどうしろというんだ。 ぱたりと彼の手が倒れる。その一瞬だけ彼が少年に見えた。 僕の目から一筋だけ流れたものは、僕と違って儚く消えてしまった。 2011/04/30 11:20:07 PM お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.06.03 17:19:26
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