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カテゴリ:煮
彼女は口に魔物を飼っている。
だからなおのこと、手紙を丁寧に書くようになった。 自分の黒歴史の存在に対して悟ったような気持ちになれる。文字を目の前にしている時だけは。 相手を責めることではないし、そして自分を過剰に責めてもはじまらないことに対して冷静になれる。 苛立ちが募って、失望が積み重なって相手への何がしかがすり減ることもない。 文字の白と黒は音楽と同様彼女を癒してくれる。 だがーある男は、何度も何度もそんな彼女を傷付けた。 彼女は葛藤し、そして最後にすべての望みをかけて彼を信じることにした。 自分の審美眼への信用も含めて。 ー彼は、ただ彼女に愛してほしかった彼は、綺麗でも汚くも正しくも悪くもある彼は、それを知らない。 そうしてそろそろ、ジャッジが下る。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.08.19 01:20:33
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