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長押 綴

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2012.08.07
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カテゴリ:🌾7種2次裏
鈴木安居はあれほど夢見る未来で目覚めてからずっと生きてという声がこだましていることに気付いた。

その声はどんなに絶望的な状況でも鈴木安居を生かそうとする。
だから佐藤涼の心配は必要ないのだと鈴木安居は思う。

過ぎたるは及ばざるが如し、故に鈴木安居は今日も死にたいと思うことができない。

そんな時に現れたのが百舌戸要。

彼は安居を筆頭とした未来での不穏な存在を殺す為に来たのだと言う。

鈴木安居のどこかの器官が殺して、と言った。
鈴木安居のどこかの器官がそれでも、と言った。

失われた黒い鈴木安居は早くこの失敗をどうにかしてくれと叫ぶ。
もうこんな自分は耐えられないと。
あなたのせいだと。
早く決着をつけてくれ、楽にしてくれと。

それは百舌戸要の幻覚かもしれない。
そうではないかもしれない。

新しく表れた白い鈴木安居はもはや百舌戸要と秋と春と冬には怪物に見えている。
だがその怪物のまわりに散らばる昔のかけらと、繋ぐ細い糸がまだ生きてと、生きたいと、生きねばならないと言っている。

友の分まで生きねばと。

鈴木安居は呪われている。
けれど鈴木安居はそれを疎ましく思えない。

そうして一度殺されかけて、生まれ変わったかのような彼は、今日も呪いを抱いて起きる。





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最終更新日  2017.07.18 20:31:35
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