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2 ............................. ぐわんぐわんとうるさい頭を落ち着かせたくて、取り敢えず僕はじっとしていた。 その間に、どうにか状況を把握しようとする。 空。夜空だ。柾目ちゃんの事だから、柾目ちゃんの夢の中に入ったらきっと保育園児の書いたような真っ青な綺麗な空ときらきらした黄色いお日様が見えるんだろうと思っていたけれど、少しそれは見当違いだったようだ。 光との対比で真っ暗なように見えるけれど、それ単体を注視すると墨のように少し青味がかった夜空。そこには、一点の曇りもない。 けれど星もない。都会の光に囲まれている時や気付かないけれど雲がある時なんかは、晴れていても星があまり見えないけれど、冬の夜のように澄み切った色で星が見えないのは、少し違和感を感じさせる。 「……」 続いて、その周りの生い茂る草。 いや、草に囲まれてるのは空じゃなくて僕だ。 僕は草原の真ん中に寝転がっているんだろう。起き上がったら、いつか柾目ちゃんとすっころんだ時のように背中が泥だらけになっているだろうか。それとも理想的な夢の世界ではそれも排除されているのか。 「……柾目ちゃんは、笑ってたな」 起き上がって泥がついていたら、あの時の柾目ちゃんを思い出して笑うつもりだった。 「…………だよね」 泥はついていなかった。 掬った土は冷たくて、少し暑いここでは気持ちがいいけれど、それだけだ。 いくらいじっても、こすりつけても、土で汚れはつかない。 「柾目ちゃん、君は」 それが思い浮かばなかったのか、それとも忘れたのか。 もし柾目ちゃんが色々な物を自分の為に都合よく変えているとしたら、 世界の為に自分の「楽しい」を変えてきた反動で、そうしているとしたら 「楽しいといってくれた「僕」を、どう変えている?」 あるいは、存在すらしないだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.06.12 01:35:02
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