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カテゴリ:◎2次裏書
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Last updated 2017.10.29 18:06:40 慣れれば何だって日常になる。 それを分かっていてあいつに事実を突きつけ続けた。 薬で眠らせて、あいつを抑えつけて、彼女に指示をした。 あいつは途中で起きた。 あいつを事前に縛っておいてよかった。 起きたことはむしろ好都合だった。事実をその目に焼き付けさせたかった。 あいつが泣き叫んでも何を言ってきても放さなかった。 俺はきっと笑っていた。 かつて、初めてあいつの心を壊した奴らもきっとこういう気持ちだったんだろう。 全てが終わる頃にはあいつはぐったりしていて、やっと終われるという顔をしていたので、まあこれぐらいにしておいてやろうと思った。 幸いにも、あれは命中していたようだった。 良かった。 失敗していたら、もう一度やらなくてはいけないところだった。 あれ以来警戒されて、俺の作った料理、俺の採ってきた食べ物はあいつに食べてもらえなかったから、彼女や彼女の友人に頼まねばならないところだった。 日に日に大きくなるそこを、あいつは恐れるように、絶望するように見つめる。 彼女の顔は覚えていないが、きっと彼女も似たような顔をしていたんだろう。 俺だけが笑っている。 彼女と、俺達の一人目の子供の様子を見に、彼女の友人がやってきた時は二人とも取り繕っていた。 居なくなってからまた4人きりの家に影が落ちる。 二人とも逃げたくても逃げられない。 何も知らない俺達の子供の為に。 新たにやって来るそいつの為に。 周囲に取り繕う為に。 自分自身の為に。 お互いの為に。 …俺の為に。 ああ、幸せだ。 これであいつは綺麗なまま汚れて、俺から離れていかない。 そうしてきっと、もう二度と、誰かと結ばれることもないだろう。 その愛を万人に振りまく、まさしく神になればいい。 俺の神様。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.11.12 22:52:20
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