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長押 綴

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2013.05.19
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カテゴリ:.1次メモ

「お前が、好きなんだよ・・・!」

声をかけられて、何の反応も出来ず、俺はただただ静かに目の前の男を見ていた。

確かにこの男に仄かな想いを抱いていたこともあった。
その想いを耐えられず、夜布団の中でさめざめと泣いてしまったこともあった。

それでも、今さらだ。今更この男に言われたって、嬉しいという気持ちよりも
戸惑いのほうが勝つ。

だって、この男は、たしか大事な大事な恋人が居たはずなのだ。
だから想いを断ち切ったのに。





もう。もう、この男にかける言葉が見付からない。






「お前にはもっと大事な奴が居るんだよ」



俺は人魚姫の隣国の王女じゃない。

ちゃんと、彼が「愛すべき相手」を知っているのだから。



彼に背中を向ける。

「あいつじゃ、駄目なんだ」
「気の迷いだ。その内付き合っていれば馴染んでくるさ」
「そんな軽い気持ちじゃ・・・・・・っ」
「お前は、すがってるだけだよ。
 「恋人」が重いんだろう」

言うべきかどうか迷った一言を漏らすと、背後からは沈黙が返る。

「……そりゃ、思い出してほしいだろうな。
 今のお前もだけど、記憶を失う前のお前と付き合ってたんだから」
「だっ、だから・・・あの頃の俺と今の俺は別々なんだって」
「俺だって、記憶を失う前のお前と付き合いがあったからこうして見舞いに来てる。
 それだけだよ。思い出すことをあんまり迫らないのは、お前の恋人ほど
 お前のことが好きじゃないから」
「嘘だ・・・・・っ」


そのしゃがれた声を置き去りにして俺は扉を閉めた。



少し嘘を吐いた。



けれど、それは別に「記憶を失っている彼」なら、付き合えると思ったわけじゃない。





以前の彼と明らかに違うから、余計に吹っ切れると思ったのだ。




そしてその目論見は成功した。

喉に苦いものが絡まっているけれど、これもきっとあいつの執着と同時に消えてくれる筈だ。


ーーーーーーーーーーー




設定:

主人公ー×→親友←→恋人

・主人公と親友は幼馴染
・でも伝えられない内に親友が恋人(男)に告白される
・親友「付き合っちゃった★」
・主人公(男もアリなん)
・でも応援する主人公
・ラブラブっぷりに時々こっそり泣きつつも応援して
 段々吹っ切れてくる主人公
・この頃主人公にも新しい相手(友情以上恋愛未満)が居るとなおよし
・そんな時に交通事故か階段落ちですっぽり周りの人に関する記憶をなくしてしまう親友
・恋人は少々大人げなく、親友はそこが可愛いと言っていたのに
 記憶のない不安な親友newとしては腹痛のタネでしかない
・週に何回か様子を見に来てくれる主人公に癒しと恋心を感じていく親友new
・思い余って告白←イマココ!






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最終更新日  2014.07.14 22:57:43
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