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長押 綴

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2014.08.29
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カテゴリ:🔗少プリ
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アイドル達の夏休み

※悪口注意
※若干好み大げさ





「……おい、まだ終わんねえのか」
「そんな顔をするな。ある程度の目途は付いてきた、これから追加される量、加えて僕達の消耗を計算に入れたとしてもぎりぎり間に合う筈だ」
「ほら、次行くよ!」

夏休みだってのにこんなことばっかしてらんないとでも言いそうだと思っていたリョウは
意外と弱音を吐かない。
少しリョウを見直す。

「はい、もっとカーギーさんリョウさん寄って下さい、
 ロンさんもぎこちなくでいいっスからちょっと笑ってー」
「……」

鍵屋崎が無表情ながら嫌悪感をにじませる。ぼそっとリョウが「僕だってやだけど頑張ってるんだから早くしてよ天才ー」とか煽って余計に鍵屋崎から怒りのオーラが出てきていたたまれなくなる。元から作り笑いが苦手だったが、こんな状況じゃ余計に笑えねえ。とか思ってたらリョウのターゲットが俺にうつる。
「ロンロンそんなぶすーっとして可愛げないなぁ、僕レベルとは言わないけどちょっとは頑張ってよ、評判落とさないでよね。っていうかもう二人ともそんなに接客嫌ですーオーラ押し出したいなら勝手に出せばいいじゃんもう僕知ーらない」
「リョウさん、そんな短気起こさないで下さい」
「僕よりも他の二人注意してよ!」
口を挟む隙も持たせずに喋るリョウにビバリーが疲れた声でフォローしようとするがその前に鍵屋崎が口を開く。
「そうか。では遠慮せずに僕は無表情、ロンはその憮然とした表情で撮るとしようじゃないか。前々から思っていたが、笑顔だの媚びだのを磨いても僕達の個性が消えて大勢のアイドルに埋没するだけだろう、型を重視するのはいいがそれにばかり気を取られて他のことが疎かになっては主客転倒に近い。正直リョウ、君の媚びた様子には嫌悪感を禁じ得ないが嘘くさい作り笑いの枠は君に任せよう」
「喧嘩売ってんの眼鏡君?っていうか条件だから笑顔は。君だってドラマやってたんだから笑顔作るぐらい楽勝でしょ、何出し惜しみしてんのさ」
「別に売っているつもりはないが。君は存分にその胡散臭い作り笑顔をしていればいい、僕はいい加減低能共にぎこちない笑みを見せることに倦怠感を覚えてきただけだ、役に入り込む俳優業はともかく「アイドル 鍵屋崎直」の模範は誰にも示されない。この場合においては笑顔は必要条件ではない、百歩譲って十分条件だ」
「おい、お前らやめろよ」
止めに入るが正直止められる気がしないどころか巻き込まれそうだがつい口を出してしまう。
案の定鍵屋崎の刺の矛先がこっちを向く。
「ロン、君は僕たちの制止より先に覚えるべきことがあるだろう。先程の振りは微妙に遅れるどころか、完全に僕やリョウの動きを見て思い出したじゃないか。レイジと遊んでいるのも止めはしないが、あまりこちらに身が入らないのであれば先日のような形式の合宿をまた敢行させてもらう。勿論個人の振り付けは悪くないが調和性が壊滅的なリョウ、君も対象に含まれる」
「はぁ!?何で僕が巻き込まれなくちゃいけないのさ、っていうか調和性が壊滅的って何ソレ自己紹介?」
「はいはいはいはいお二人さんストップストップっすよ!」

……今はダンスの練習の真っ最中だ。







夏休みは殆どないと思って下さいよ、というのが初めにビバリーに言われた言葉だった。
だからある程度大変さは予想していたが、ここまでだとは思わなかった。

「っあ゛ー…生き返るー……」

仮にもアイドルなのにおっさんみてえな声を上げるリョウ。
また薬でもやってんのかと思ったがその手に握られていたのは何の変哲もないひたすら甘ったるそうな菓子パンだった。

「お前確か朝もそれ食ってなかったか」
「…別にいいでしょ、人が何食べてようと。」
「菓子ばかりの食生活を見せつけられるこちらの身にもなってみろ、吐き気がする。没収だ」
「はぁ!?横暴過ぎるよお前!」
「君の健康には全くといっていいほど興味がないが、体調を崩されるとこちらが迷惑するんだ。」

鍵屋崎がそう言って何かを押し付ける。
心配なら心配だって正直に言やいいのに、全くいつも素直じゃない、しかも一言多い。

「なら見なきゃいいじゃん……って何これ」
「見て分からないか?手癖と口だけでなく観察能力まで悪くなったか」
「いや、そういうこと言ってるんじゃないよ、っていうかさりげに悪口言うのやめてくれる!?
 何で昼飯にサプリ渡されなきゃいけないのさ!」
「感謝しろ、そのサプリは小さいながら菓子では取れない栄養を補う効果がある」
「いやこんなんじゃ腹も心も満たされないって!」

切れるリョウの気持ちも分からないではないが、多分というか確実に鍵屋崎は善意でやっている。

「そういう眼鏡君の弁当は何なのさ……うわっ、野菜ばっかじゃん!」
「果物もついている。グレープフルーツだ」
「いやそういう問題じゃないよ」

合宿の時は出されたもんを食ってたせいか知らなかったが、なるほどその通り、鍵屋崎は芋虫のようにこれでもかと弁当に野菜を山盛りにしていた。野菜好きすぎんだろこいつと思う一方で、一緒に寝泊まりしたり特訓したり散々言い合っても相手の弁当すらろくに見ていなかったということに若干不思議な気持ちを覚える。

「逆に体壊すだろそれ」
「そんなんだから体力つかないんだよ」
「野菜だけではない、肉も魚も少しずつ入っている。mg単位で調整してある僕の献立表に間違いはない。
 言っておくが筋肉がつきづらく体力がないのは僕の体質だ、勝手に口を出さないでもらおうか。
 大体貴様らの……ロン、何だそれは」

鍵屋崎の目がきろりとこっちを見てつい肩が跳ねちまう。

「何って…普通だろ。野菜も肉も入ってるし」
「確かにそうだが、それは流石に……君はそれで満足出来るのか」
「大満足だよ、好物だし」
「いくら好きだからって一面麻婆豆腐はちょっと……見てるだけでおなかいっぱい」
「お前に言われたくねえ」

結論、好みはひとそれぞれ。

まあ、地獄の特訓がまた始まるその前、こうしてわいわい食べるのも悪くねえ。


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【以下想像】

・直:少なめ・栄養バランス重視
・リョウ:ほっとくとお菓子ばかり食べる、ビバリーおさんどん(今は外している)
・ロン:安くて早くて腹一杯になってうまいもの。肉好き。

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「鍵屋崎、あんま無理すんなよ」
「無理などしていない。僕は自分の胃の容量を正確に把握している、
 体力をつける為にもこれだけは食べきれねばならない。
この献立ではこの分量が丁度……うっぷ」


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リョウ「一口もーらいっ」

から発展しておかず交換になったり…しないか






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最終更新日  2014.08.29 16:15:19
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