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長押 綴

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2014.10.06
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カテゴリ:🔗少プリ
9月とっくに過ぎてますが運動会パロ続きです






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「……えーと…」

ただ今借り物競争真っ最中、運悪く1番最初に走ることになってしまった僕は要領を得ないまま紙を取ることになってしまった。皆が目当てのものを探しに走り出す中呆然と立ちすくんでいる僕が引いたのは「人」をお題にしたくじ、曽根崎がばらまいていた辺りにあったそれはおそらく曽根崎本人が混ぜたであろうもの。他の変なお題に比べたら二十倍くらいマシだろう。

「自分より背の低い子って…」

だけど、引いた相性が悪すぎた。
くそ、鍵屋崎の提案当てになんないじゃん。文句を言ってやりたいけど今はそんな時間無い、取り敢えず焦燥を抑えながらぐるりと辺りを見回してはみるものの生徒はいかついのごついのばっかだし見学に来てる人たちは大人ばかり。到底僕の140cmより低い人なんて見当たりそうにない。なんか最前線で凱に似た女の子が見えた気がするけど気のせい、絶対気のせい。さわらぬ凱に祟りなしだ。

「リョウさん大丈夫っスか!?何のお題っスか」
心配したビバリーが話しかけてくれる、どうすればいいのかわからないままグループ指定席に駆け寄る。

「えーとね…僕より身長の低い子だって」
「えっ…」

案の定ビバリーが言葉に詰まる、仕方ないっちゃ仕方ないことだけどなんだかブスブスした気分になる。

「だ、誰かのお子さんにお願いすればなんとか…」
「って言ってもあの人混みだし、そもそも他チームの人の身内だったら来てくれないかもしんないしきっついんだけど」
「一応声掛けてみましょう!」
「えー…やってみるけどさー…」

そこまで言われちゃ仕方ない、苦い顔をしつつもビバリーの応援を背に観客席の方にダダッと走り出す、うまくいくかどうかなんてわかんないけどやるっきゃない。

「縁無し眼鏡ー!縁無し眼鏡をくれー!!」
「大車輪出来るやつ四天王以外で居ないかー!」
「俺と一緒に変顔しながらうさぎ跳びで走ってくれる奴ー!!!」
「一緒に女装して走れる奴ー!!」

なかなかに酷いというか悪意のある条件揃いの中飛び交う声は既に音害と言ってもふさわしいレベルで四方八方から飛んでくる声援と混ざるともう何がなんだか分からない、焦燥が募る。

「140cmより背の低い子、居たら来てー!!後で何かお礼あげるからー!!!」

負けじと声を張り上げるけれどたぶん数メートル先にしか聞こえてない気がする、ああもう誰か―――

「あの…」
「え?」

手が挙がったのは、その数メートル先の人混みの隙間。
一瞬何だと思ったけれど今このタイミングで手を挙げるなんて目的は一つしかない、

「君、140cm以下の人!?」
「は、はいっ」

たぶん声からして女の子であろうその子は、周りの人を気にしつつもこっちに向かってくる。
帽子の下の唇は緊張で引き締められている、若干不安な足取りではあるけれどその歩みは止まることなく唯一の扉を開けて出てきてくれる。

「助かった!取り敢えず後でお礼は渡すね、走ろっ」
「っ、わ…っ」

校庭の上は各チームの人間が右往左往の大混乱、ネズミが逃げる時だってここまでなんないだろうって位めちゃくちゃになっている。その原因は選手が走り回ってるだけじゃない、必死に渡すのを拒む奴に選手から逃げ回る標的の声に条件に合わないって言われた奴の嘆き、まさに阿鼻叫喚の様相を呈してる。身を屈めて走り抜けるもふと振り返るとあの子がついて来れてない、一緒に隙間をすり抜けるべく手を握ると小動物みたいにびくっとされる。

「あ、手握るのダメ?」
「え、いえ大丈夫で、す…ごめんなさい」

その細い声に一瞬リュウホウがよぎる、だからと言ってどうというわけじゃないけど何か妙な胸騒ぎがする。

「…よし、あとちょっとっ!」

取り敢えず得体の知れない不安を押しのけて一歩、二歩、三歩と加速、何度も地に落とされて最早役目を果たすことを放棄した白いゴムの上を走り抜ける。でもこれで終わりじゃない、気が緩みそうになるのを叱咤する、判定役の五十嵐まであと三歩、二歩、一歩!

「ラッシー、これお題!測って早く早く!!」

ぜえはあと息を整えつつお題の紙を渡して、一緒にぜえはあ言ってる相手の子と背中合わせで立つ。
ひとまず一応ゴール、後は条件にあってるかどうか確かめたら本当の本当にゴールだ。
条件が変なのばっかりだったせいか今の所ゴールしてる人は居ない、今合格したら1位を取れる。

「……合格だ。良かったな」
「…やった―――!!」

マイクで校庭中に響く声に思わず歓喜の声を上げてガッツポーズ、歓声を上げてるビバリーに勢い良く勝利報告。
別にお礼はなくてもいいと言う相手の子にほんとにいいのと訊いている間に段々2位以降の順位が決まっていく。
最下位の女装したコンビがゴールした後、五十嵐が再び順位とそのお題になったモノだか人だかを読み上げていく。
立った時ふと鍵屋崎の方を見る、鍵屋崎もこっちを向いていたので挑発するようにどうだという顔をする。

「……?」

だけど鍵屋崎の表情は固まったままだ。勝利に対して当然だとでも言いそうな顔をするでもなく、徹底的な無表情。むしろ無視。何様だと思うけれど平時の冷徹な無表情とは違いカチンコチンと擬音が付きそうな顔に違和感。

「……何故」

呟いた鍵屋崎の声は、呆然自失と評してもいいほど気が抜けたもので、
そして見てる相手はといえば僕じゃなく、相手の、帽子の、子。

「めぐみ……?」





嘘だろ。


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この後▼

・リョウから貰いそうになったお菓子を怪しいので全部セコムする直ちゃん
・微妙な空気になる鍵屋崎兄妹+周り数メートル

・観客席は治安良い所と悪い所あり
・心臓バクバク頭ぐるぐるさせつつも恵に良い所を見せねばと奮闘する直ちゃん
・但しお題はネタ系
・心から血を流しながら1位をもぎとる直ちゃん
・色々と瀕死な直ちゃんにサムライがあたふたする

・ロン:パン食い競争では頭を取り換えられたアンパンマンの如く輝く
・道了:ロンに釣られパン食い競争に参加するが勢い余ってパンを吊るす台ごと引きずってゴール

・レイジ:短距離で豹の本領発揮
・サーシャ:レイジに競るが悉く負ける、そしてバテる、だがめげない 因みに飲み物はボ●ジョミ
・アルセ兄:ボルジョ●給水器持参

・凱:走った後に砂埃が舞う
・ホセ:走った跡が地割れ

・ヨンイル:序盤は楽しそうに軽快に猛スピードで走るが中盤でペース落ちる、そしてサムライに追い抜かれる。
  だが最後の一周で道化の意地を見せる、写真判定突入
・サムライ:ペースを全く乱さない、すり足のように斬り込むような走り方。但しヨンイルと争う時はムキになる、
  直の声援で目に炎が宿る。そして同着1位

・ヨンイル(部活):漫画研究会代表、くじ引きで引いたキャラクターの絵を描きながら走る、似ていなかったらもう一回描き直しながら走る(ビリ争い)
・サムライ(部活):剣道部代表、面胴篭手と繰り返しながらすり足で行く、バトン受け渡しは一本取られることだがうっかり一本取ってしまい走行続行(ビリ争い)



・因みに リレー: →レイジ→ロン→直→サムライ→ビバリー→リョウ→

・騎馬戦:サムライ(馬)ビバリー(馬)レイジ(前馬)ロン(上)
・確実に解体
・そして味方から何故か狙われる
・なお凱は5人位の子分を馬にしている模様


・最終的に:

リョウ・直ちゃん・ロン他チーム1位か2位だと燃える
ロンは素直に喜んでリョウも何だかんだ喜んで直ちゃんは水が出た時みたいに喜んで欲しい





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最終更新日  2014.10.06 02:45:46
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