1450984 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

Laub🍃

Laub🍃

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

フリーページ

カテゴリ

プロフィール

長押 綴

長押 綴

カレンダー

2016.03.19
XML
カテゴリ:◎2次裏書
亡くなった恋人に似た、儚い恋人ができたのは二年前のことだ。

俺は恋人を今度こそ守りたかった。

それなのに恋人は自傷と自虐を繰り返す。

俺と自分が不釣り合いだ、一緒に居ると汚してしまうと言って憚らない。

だから。

「……」
「…ただいま」

おかえり、と言う声はない。

薄暗い部屋、暗い目がこちらを見て光を宿す。

駆け寄る足音も、伸ばす腕もない。

全て奪ったから。

奪わないと、恋人は自分の命を、心を、傷付け続けると思ったから。


「……」

最後に自虐ばかり繰り返す舌を奪おうとした時、恋人が言っていた言葉を思い出す。

「汚れ仕事をさせてしまったな」

とんでもない。

最早何もできない恋人を守り、助け、愛し続けるのは深く尊く、美しく、どこまでも正しい行為なのに。

そう言うと恋人は笑った。

そうか、だから君は汚れないんだな、と。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2018.04.22 18:38:23
コメント(0) | コメントを書く
[◎2次裏書] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.