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カテゴリ:.1次題
嘘を吐きました。
泥まみれになったのは、川の中の子猫を助けようとしたわけじゃなくて、川の中にひっかかった艶本を拾おうとしたからです。 嘘を吐きました。 ごみ箱に捨てられていた十字架を拾って、人に貰ったと嘘をつきました。 嘘を吐きました。 私は嘘を吐けない性格などではなく、ばれないように嘘を吐くのが上手なだけなのです。 それでも気付けば私は町一番の神父になっていました。 * 嘘を吐かれました。 立場の弱い子を庇ったら私がスケープゴートにされました。 嘘を吐かれました。 言ってもいないことを相手のプライドを保つ為に言ったと嘘を吐きました。 嘘を吐かれました。 疲れた様子のその人の酒に付き合う為に、私の仕事が長引いたということにされました。 それでも気付けば私は何かを削って当たり前の人間と言うことにされていました。 * 本当はぶちまけてしまいたいのです。 自分は善人などではないと。 本当はぶちまけてしまいたいのです。 奴等は真っ当などではないと。 それでもそれを言えないくらいには私は自分が大事で、 それでもそれを言えないくらいには私は奴等が大事なのです。 【続】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.10.24 00:11:46
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