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カテゴリ:.1次題
生徒会はいくつかの部活を潰すことにした。
部室のスペースと予算と人員などを力のある別の部活に使わせる為だ。 ある弱小の文化部が潰された。その文化部は内容が似た別の部活に入った。 ある弱小の球技部が潰された。その球技部は内容が似た別の部活に入った。 そんなことが数件続いた。 新たな部活の方に嵌る者、新たな部活を行いながら学校外で活動を続ける者、学校外の活動に専念する為に部活を辞める者、体力が有り余って問題行動に走る者…。潰された部活の元部員たちは様々な選択をした。 そうして生徒会の目論見通り、生き残った部活のスペースと予算と人員は増加した。 しかし、一方で、生き残った部活の中で新たに派閥が生まれ、その派閥がそれぞれ部活のようになってきてしまっていた。 そうして生徒会の中でも、部活への強硬策推進派と、否定派に分裂してしまっていた。 迷いに迷った生徒会長はある決断をした。 * 「生徒会はいずれかの部活に視察または援助をする」 「生徒会よりも技量が低い場合は廃部とする、また新たな部活に元の部活の内容を追加することは制限する」 いわゆる道場破りである。 * 数か月後。 「…生徒会…人、増えましたねえ」 「……」 「生徒会長さすがです」 「嫌味か」 生徒会がある意味一番自由に活動を出来る、また異種格闘技にも似た視察・援助が出来る。 ということで生徒会の入会希望者が爆発的に増えたのだった。 生徒会の中で、そうした生徒たちが増えた事で、新たな意見も増え、差し押さえられた部屋達は殆どその意見交換の場とされた。 その部屋の中では時々廃部になった筈の将棋部の音、卓球部の音、はたまた軽音部の音が聞こえてくるようだが、生徒会長はもうそれらを取り締まる気も起きないでいる。 こうして併呑は平和のうちに終わった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.10.31 22:47:45
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