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長押 綴

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2017.12.10
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カテゴリ:.1次題
オタク題材にした漫画mkmmで、「厨二病的なキャラは幼児向けキャラにはない要素を詰め込んでいる」「保護者から与えられる陽の要素と違って、自分で選び取っていくものだから、大人の雰囲気を感じることができる」というのを読んでできた話↓

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 うちのお兄ちゃんはいわゆる逆張り厨だ。

 競馬では大穴を狙う。
 ヒーロー5人と怪人1匹なら怪人の味方だ。
 天井×床の擬人化が流行った時は床×天井で大フィーバーしてた。

 日本人得意の判官びいき、弱い者や不人気の味方、或いはマイナー厨、選民意識、同担拒否。

 あたしも昔はお兄ちゃんによく庇われた。いじめられっ子だったから。
 だけどあたしに友達が出来ると距離が出来て、あたしはそれを呑気に、あたしの為を想って身を引いてくれたんだななんて思ってた。

 そんなことなかった。
 お兄ちゃんは可哀想な子、ひとりぼっちの子が好きなだけだった。

 過度に親から期待を受けて、後を継ぐよう強制されて、指定のレールの上を歩むことが決まってたから、その分レールの外に憧れてただけだった。

 だからあたしは、あたしを居ないものとして扱ったりいじめてきたりする家を離れることにした。あの家で優しいのは不憫な子が好きなお兄ちゃんだけだった。

 お兄ちゃんは優しくするたびに優等生扱いを受けた。同情心が強い人と言う扱いを受けてた。
 だから今頃はスケープゴートが居なくなってちょっとだけ辛い思いをしてるだろう。
 ざまあ。

 あたしが家を出て行く朝、ドアを出て少し歩いてふと振り返った時お兄ちゃんが二階の窓から見てた。

 自由な世界に行くあたしを羨んで妬んで嫉んで射殺しそうな目をしてた。


 にっこり笑い返して手を振って、また元の道に向き直る。
 笑顔は取れない。
 心からの笑顔だから。


 ごめんねお兄ちゃん。

 外の世界を知ったあたしからすると、広い世界で少数派のあなたたちは、そこに閉じ込められて出られない狭い世界のあなたたちは、とても可哀想で、可愛いよ。


 ねえ。ある本で読んだんだけど、薄暗いものって、大人達から与えられる陽の要素が少ないから、大人っぽく感じられて惹かれるんだって。

 当たり前や常識から外れたものに憧れたお兄ちゃんもきっと、その大人の世界に進んで、自分で何かを掴み取りたかったんだろうね。

 外の世界、本当の大人の世界では子供扱いされる人たちが、大人ぶってお兄ちゃんに色々なものを与え続けたから、それは叶わなかったけれど。

 いつかお兄ちゃんの上の人たちがみんな死んだら、お兄ちゃんはどうなってるのかな。
 その時まだレールの外に手を伸ばす気があるなら、その時は、


 手伝いに行くよ。





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最終更新日  2018.12.04 21:01:02
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