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「-ということで、我々は魔物のみならず、陰で木の魔王も兼任する隣の王にも対処せねばならないのです。わかりましたか皆さん」
僕の言葉に彼らは反応しない。 落ちこぼれの彼らのためにわざわざ魔法で僕という木偶人形が作られたというのに、これでは役割が果たせない。 「あーもーうっさいなぁ」 どすどすどす、と首に木の矢が突き刺さる。 こんな風に玩具にされる始末。 「俺達別に魔物狩りまくれてるんだからいーじゃん」 「よくありません。接するすべを狩り以外でも学び、これまでの歴史の教訓を学ばないと」 「飽きた飽きた飽きたぁ~~~!!!」 全く、面倒な。 「よろしい、では実戦形式で行いましょうか」 歴史に学ばなければどうなるのか。 少々痛い目を見て覚えて頂きましょう。 「えっ!?ちょっとまだ心の準備が」 僕は体じゅうに書き込まれた魔法陣のいくつかを起動し、彼らを取り込んだ。 「待っ……」 -あとは、「中の僕」がどうにかしてくれるだろう。 「お疲れ様。大丈夫?」 「はい、ありがとうございます。姫君」 戦闘訓練・教師役の木偶人形は、姫君に作られた。 姫君が地の魔女からもらったという宝石の一つを頂き僕は動くことができている。 木偶人形は砕かれた宝石の数だけ存在し、部分を取り外せばそれは義肢としても使うことができる。 頭を飛ばされた体でさえ頭をはめ込み魔力を入れれば動くのだから地の魔女というのは全く末恐ろしい。 地の魔女と取引して抜け駆けしようとして失敗し地の魔女の洞窟の一部となった人は後を絶たないのに、全く姫君の交渉能力ーいや、人たらし能力は素晴らしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.11.24 03:42:03
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