|
テーマ:本日の1冊(3690)
カテゴリ:本・読書
『ラテンアメリカ五人集』
「砂漠の戦い(ホセ・エミリオ・パチェーコ)」 「子犬たち(マリオ・バルガス=リョサ)」「二人のエレーナ(カルロス・フェンテス)」「白/青い花束/正体不明の二人への手紙(オクタビオ・パス)」「グアテマラ伝説集(ミゲル・アンヘル・アストゥリアス)」の五人。 それぞれに面白い。 ・アストゥリアスの「グアテマラ伝説集」は二度目。理解できない面白さは二度目も変わらない。言葉の魔術の前にわが頭脳はくらくらするばかりである。 ・「砂漠の戦い(ホセ・エミリオ・パチェーコ)」は、友達の母親に恋する男の子。子供(少年)の心と行動の描写が見事。 ・「子犬たち(マリオ・バルガス=リョサ)」は、シャワー中にペニスを犬に噛み切られた男の子(ちんこと呼ばれる)が仲間たちとの交友を会話文で描いたもの。その最後ところを引く、 【すっかりイカレちゃってさ、死んだそうだぜ、北部へ行くところだったって。何で?衝突さ。どこで?ピサマヨの危険なカーブ続きの個所だってさ。かわいそうになあ、埋葬の席でぼくらは話した、ずいぶん苦しんだ、つらい人生だったろうな、でも、この最期だけは自業自得だ。】全篇このような文体で綴られる。このジャカード織のような文体がリョサの魅力。 【】内、引用。 ・「二人のエレーナ(カルロス・フェンテス)」。『突然炎のごとく』や『真昼の決闘』『皆殺しの天使』という映画のタイトルが出てくる。娘と義母、二人のエレーナの間を行き来する男。 ・「白/青い花束/正体不明の二人への手紙(オクタビオ・パス)」パスの詩はまったく分からない。どうにもならぬ。 これで、ラテンアメリカ文庫を4冊。再びリョサの長編に・・・。 『ラテンアメリカ五人集』 「砂漠の戦い(ホセ・エミリオ・パチェーコ)安藤哲行訳」 「子犬たち(マリオ・バルガス=リョサ)鈴木恵子訳」 「二人のエレーナ(カルロス・フェンテス)安藤哲行訳」 「白/鼓直訳・青い花束/正体不明の二人への手紙/野谷文昭訳(オクタビオ・パス)」 「グアテマラ伝説集(ミゲル・アンヘル・アストゥリアス)牛島信明訳」 2011年7月25日 改訂新版第1刷 集英社文庫 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.10.09 18:58:55
コメント(0) | コメントを書く
[本・読書] カテゴリの最新記事
|