９１歳、かあさんの夏

そして、リストにあった衣類やタオルをそろえて全部名前を書き込んで、かあさんのいる特養に持って行った。

2階に上がると、ケアマネさんがいて、
はい、預かりますよ。
と言ってくれた。

最近やせたみたいで、サイズが合うかわからなくて…
きついのを嫌がるもんで。

とか言ってると、

大丈夫ですよ。
合わなかったらまた連絡しますよ〜
と言ってくれる特養のケアマネさん。

そうですか。
では、お願いします。
と、そのまま預けた。

あまり面会もせず放ったらかしだったので、たまには会いに行った方がいいのかな。
とか夫と話していて、どうせそろえた衣類を持って行くんだから、その時会ってズボンをはかせてみればいいよね。
って話になってた。

この流れで会わずに帰る？

食堂をガラス窓越しにのぞきこんだ。
そこからは食堂全部が見渡せる。

あ、ほら、あそこにいらっしゃいますよ。
とケアマネさん。

え？どこ？

さがすけど人が多くてわからない。

ま、いいや。
元気に機嫌よくしてるんだろう。

ご飯時じゃなくても、いつも食堂にいるみたいなので。

一応、かあさんのこと気にしてますよ。
のポーズ。

かあさんに、特に会いたいわけじゃないから。

じゃ、失礼します。

と、そのまま帰った。



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