死ぬ前やからフルーツを買う

2022.09.03

(2)

テーマ：認知症(611)

大きなスイカに歓喜していた夫。
また見つけたら買ってしまうだろう。
だけど、大きなスイカはもうスーパーにはなかった。

その代わり、桃を買った。
わ、高い！ 2個で680円だって？
マジか〜

だけど、死ぬ前やからな、うまいもん食っとかなあかん。
と言う夫。
これは最近の夫の口ぐせ。

このトシになるとな、いつ死ぬかわからんからな。
と言う夫は75才。

95才のあなたのかあさんはまだ生きてるけどね。

ともかく、そう言いながら夫はりんごも買った。
悪い癖が出てる。
果物が好きな夫は、おいしそうな果物を見るとすぐ買ってしまう。
しかも1種類だけじゃない。
多い時は、スイカ🍉やらりんご🍎やら梨🍐やら桃🍑やら…
家に5種類以上も果物があったりする。
それを1日の内にあれもこれもと何種類も食べてた。

仕事を辞めてからちょっと控えめになったなと思ってたけど、また最近悪い癖再発だ。

もうヤケクソみたいに果物買っちゃう。
死ぬ前やからな〜と言いながら。

聞いて気持ちのいいセリフじゃないよ。
いったい、いつ死ぬってんだよ〜

2人で買い物行ったらいつの間にかカゴに立派なブドウが…
ええっ？ 890円？
最近果物高いんだよ。
マジかよ〜

その後、夫がイチジクをカゴに入れようとしたから、
いいよ、それはもう買わないで…
と言うと、

食べたいって言ってたやろ。
と言う。

確かに最近、バイトの帰りの駅の近くで立派なイチジクを498円で売ってたって話を夫にした。
イチジクって今だけだよね。
すぐ店先からなくなるんだよね。
って話を。

でもいいよ、別にそれほど食べたいわけじゃないから。
ブドウ買ったんだし。
と言ったけど、夫は結局イチジクも1パック買った。

なんかモヤモヤする。
死ぬ前かなんか知らんけど、最近贅沢しすぎ。
身の程知らずなんだよ。

私がなぜそう思うかと言うと…
もう60代半ばの私は、もうそろそろバイトの辞め時だと思っている。
時給がよくていいバイトだったけど、のさばりすぎたかも。
気がつけば回りは若い人ばっかり。
老害振りまく前に辞めなきゃと思う。
もう振りまいてるかも。

仕事辞めたら、もう収入は年金だけ。
夫も私も年金かけた年月が短すぎて、2人分合わせても今の生活レベルだと全然足りないのだ。

足りない分預金を切り崩すしかない。
うっかり長生きしてしまったら、すぐにまともに暮らせなくなるよ。
そうでなくても、物価高。
年金は上がらないのに。

まぁ、もうすぐ「死ぬ前」なら問題解決なんだけどね。

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