カテゴリ:歌謡曲/映画/テレビ
1975年10月から「アクマイザー3」がテレビ放送されました。
地底世界「ダウンワールド」のアクマ族が地上に出てきて、人間に対して侵略を始めますが、その卑劣な手段に疑問をもったアクマ族の三銃士「ザビタン、イビル、ガブラ」が、人類のためにアクマ族と戦うというストーリーです。 「アクマイザー3」の主題歌である「戦え!アクマイザー3/作詞:石ノ森章太郎、作曲・編曲:渡辺宙明、歌:水木一郎、こおろぎ’73」は、自然に口ずさむことができる聴きやすいメロディラインで、とても記憶に残りました。 この曲のベースを担当された寺川正興さんのことが、色々な本に書かれており、一部を紹介します。 寺川さんのベースに集中しながら「戦え!アクマイザー3」を聴くと、確かに寺川さんのベースの音階が上下に激しく動き、すごい技術なのだと思いました。 ーーーーーーーー 「解析!昭和のTVアニメ特撮主題歌大百科 耳に残るメロディを牽引した匠のコード・プログレッション330/ガモウユウイチ/DU BOOKS/2016年5月1日」 P40「寺川正興のエレベーター演奏が炸裂するレア・グルーヴ・チューン」 「勝利だ!アクマイザー3」では、ベーシストの寺川正興のエレベーター奏法が炸裂。8ビートのナンバーでありながらもベースはほぼ16分音符の連弾。当時のスタジオ・プレイヤーの中でも、こんなぶっ飛んだアプローチをするのは世界レベルでも寺川だけだった。アレンジャーの指定を自由すぎる範疇で解釈、おそらくアレンジャーが想像するサウンドをはるかに超えたグルーヴ感が生まれている。 エレキ・ギターもワウをトーン・コントロールとして使用していたり、チョーキングによるオブリガードがフィーチャーされたりとロック色が強い。 ~ 主にダイアトニック・コードで構成されているが、ほぼコード構成音でメロディが構築されているために、子供でも歌いやすいメロディとなっている。カッコいいだけではなく、リスナーのことにも配慮されたナンバーと言える。 ーーーーーーーーーーーーー 「スーパーアニソン作曲家 渡辺宙明大全 世界が熱狂するアニメ・特撮音楽の神様/腹巻猫&宙明サウンド研究会/辰巳出版/2019年9月25日 初版第1刷発行」 P71 主題歌「勝利だ!アクマイザー3」(渡辺宙明さんのインタビュー) ー バックでラテンパーカッションがすごいスピードで鳴っているのも印象的です。これまでの主題歌にないパターンですよね。 コンガを16分音符で叩いています。歌謡曲ではコンガをこんな風に使うことはないから、私が考えたのでしょう。スピード感を出すためにバックに流してみようと。 ベースもなかなか頑張っていますね。この頃はリズムが打ち込みじゃないからいい。 ー ベースは寺川正興さん? 寺川さんでしょうね。『キカイダー』のベースもそうですよね。まるでギターのようなアドリブでやっていた。寺川さんは歌謡曲でひっぱりだこで、みんなが「この人にまかせればいい」と言っていました。最近の打ち込みのベースだとこんな風にはならないのです。うまいベーシストはいろいろなフレーズを知っていますから。コードネームだけ書いておけば、思いもよらないことをやってくれる。譜面通りだと彼らも腕のふるいようがないわけです。打ち込みが主流になってからは、ベースラインが面白い曲があまりない。伴奏の面白さがなくなった気がします。 ーーーーーーーーーーーー 「泣き虫プロデューサーの遺言状 ~TVヒーローと歩んだ50年~/平山亨/講談社/2012年11月27日第1刷発行」 P181 『アクマイザー3』(昭和50年(1975年)10月~51年6月 NET) 平山プロデューサー。 石森先生との仕事が多かったので、毎週1~2回は、石森先生愛用の喫茶店ラタンへ行く。たまたま、何かで読んだ「地球空洞説」、地球の中は空洞になっているという話を、フッと思い出して話題にする。先生も「地球空洞説」は良く知っている。中はどうなっているという話から、空想が入り込む。先生が「うん、それだったらこんなのどう」と、いつの間にかできてしまう。地球の空洞、ダウンワールドにアクマ族というカタカナで書いたアクマがいる。悪い悪魔『悪魔くん』の悪魔とは違う。 これだけの数の作品をやれたのは、石森先生のお陰。その時に私の思っていることを少しだけ言うと、先生が固めてくれる。 ~ 題名は、私が何を思ったか「ノロベッチョ」と言った。石森先生が「反対」。「ベッチョ」とは、先生の故郷、宮城では、女の子のあそこのことを言うんだと。それで、先生が「それはちょっとまずいよ」。 ~ 3人が乗るギャリバードのデザインは、石森先生と私で。大抵、こんな変なことを考えるのは私。とにかく変えなければというのが根本にある。それで、両側サイドカーはどうだと。みんなは、「そりゃ面白い。3人だから、真ん中に主人公乘って、両側に乘って、ああ、いいじゃない」。 自動車工学を知らない私が考えると、ああいうことになるという実例。作ることは作ったが、ハンドルも切れない。ダーッと真直ぐ走るだけ。ハンドルを切っても、車はそのまま直進。そんな感じ。あれは世紀の大失敗。現場はなんとかごまかし。あの頃は、車は玩具になればいい程度で、実際の戦いで活躍することは必要なかった。 ーーーーーーーーーーーーー 「アクマイザー3」 主題歌「戦え!アクマイザー3」 ↑ ザイダベック号。 ↑ ザイダベックからアクマイザー3が出てくる。 ↑ アクマイザー3のメンバー。 ↑ ザビタン。 ↑ イビル。 ↑ ガブラ。 ↑ アクマイザー3。 ↑ 原作:石森章太郎。 ↑ ギャリバード。構造上、真直ぐにしか走れない。 ーーーーーーーーーーー 「解析!昭和のTVアニメ特撮主題歌大百科 耳に残るメロディを牽引した匠のコード・プログレッション330/ガモウユウイチ/DU BOOKS/2016年5月1日」 「スーパーアニソン作曲家 渡辺宙明大全 世界が熱狂するアニメ・特撮音楽の神様/腹巻猫&宙明サウンド研究会/辰巳出版/2019年9月25日 初版第1刷発行」 「泣き虫プロデューサーの遺言状 ~TVヒーローと歩んだ50年~/平山亨/講談社/2012年11月27日第1刷発行」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.08.14 13:41:55
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