ぶた にく/大西暢夫
鹿児島市郊外、知的障害の人達が暮らすゆうかり学園。みんなが寝静まった深夜の豚舎で、一匹の母豚が出産を迎えようとしていました。生まれた14匹の子豚達は、いっぱい乳を飲み、いっぱいエサを食べ、やがて・・・・・・。図書館で借りてきました。19日の日記でもご紹介しましたが、レビューとして改めて書き直したいと思います。前回の日記を一部使い回してますが、気付いても初めて読むような顔しててください(^^;ぶたさんの絵本。というより写真集に近いです。施設の残飯処理の為にぶたを飼い始め、そこから本格的に養豚するようになった、鹿児島市にある知的障害者の施設・ゆうかり学園。ある年の母豚の出産から子豚の成長、その子らが10ヶ月経って出荷され肉となり、また母豚が出産するまでを写真と解説で追っています。いきなりリアルな出産シーンからスタートです。母豚からにゅるん!と出てくる赤ちゃん達。まだ袋で包まれたままの子豚の写真もあり、結構生々しいです。綺麗になって、乳を飲み始める子豚達。か〜わいい〜♪コロンとした体型、顔も手足も寸詰まり(笑)兄弟でじゃれ合ってる姿は、ほんと愛らしいですね。並んで座ってるところなんてたまりません(//∀//)が、この子豚達は可愛がる為に飼われている訳ではありません。1ヶ月も経つと親から離され、離乳食から徐々に大人の食事へ。近くの学校やお店から集められた残飯(中には豚肉まで!)をエサに、やがては自分自身が肉として出荷される為に子豚達は育てられていくのです。眠そうなトロンとした目。無邪気に餌を欲しがる顔。泥んこになって遊ぶ姿。そして10ヶ月後。施設から“と場”に連れていかれ、さっきまで生きていた豚が、次のページでは肉となり吊るされた姿に。首を落とされ、ズラリと吊るされたたくさんの肉。解体され、私達が見慣れた状態の肉となり、最後はウィンナー。その過程も全部写真になっています。私達の口にする物ほぼ全て(塩とか除いて)が元は命あるものだったっていうのはわかってはいても、普段はこんな風に生きている動物とお店に並ぶ肉を結びつけて見ていないので、改めて写真で見せられるとズ〜ン★と来ます。昔、“牛から出てくる”“温めると鶏になる”と聞いて牛乳や卵が食べられなくなった同級生達がいましたが、特に小さいお子さん達にはちょっと衝撃的かも。「命だったんだよ」と教えることは大事だけど、タイミングには気をつけてね、大人達(^^;そして、残さず全部、おいしく食べられることに感謝を。やがて、ゆうかり学園の母豚はまた妊娠し、新たな命が誕生します。生まれたての子豚は・・・・・・やっぱり可愛いのです^ ^ぶた にく 著者:写真・文/大西暢夫幻冬社 2010年1月発行【送料無料】ぶたにく [ 大西暢夫 ]価格:1,680円(税込、送料別)