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猫多組(ねこたぐみ)

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Sep 18, 2007
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カテゴリ:映画・DVD
オフランスミハオ=ちゅうたが、私以上に喜んで、期待わくわくで九段会館へ。

『エディット・ピアフ 愛の讃歌』

主演女優、マリオン・コティヤールの演技や歌は「ピアフそのもの」といえるぐらいに素晴らしい。
特に、歌っている時と、晩年の病気の状態・・・一流歌手、本物の病人、としか、思えません。

にもかかわらず。
時間軸が行ったり来たりする構成についていけなかった。

ものすごく勿体無い、と思う

一人の人物を描いた作品は、時間軸の行き来が多少あるのが当然かも知れない。
最近観た作品では、『ミス・ポター』だって、少女時代を振り返っていたし。

でも、しょっちゅう時間軸が、それもあちこち飛ぶので、どこがどう繋がっていて、どの出来事が先なのか後なのかがよくわからず。
それを理解しようと努めると、せっかくの歌や演技に集中できず・・・観客として、悪循環に陥った。
ピアフの人生(年表?)をよくわかっている人なら困らなかったんだろうな。

どの歌がいつ頃の発表されたものなのか、結婚、また、大恋愛はいつ頃のことなのか。
アメリカツアーは人生のどの時点でのことだったのか、何回もあったのか、コンサート中に倒れたのは、どのツアーの最中だったのか。
アメリカから若い男性をつれて帰国したのは、いつのことだったのか。
闘病生活は何回あったのか、最後の闘病生活は、どこで、何年続いたのか。
大物がたくさん来たという最後のコンサートはいつ頃だったのか。

こういったことを、彼女の見た目や状況から判断するのが難しかった。
また、ホテルやレストラン、家やコンサート会場の楽屋などが出てくるが、「どこの」なのかが、すぐにはわからない。

時間軸さえ飛ばなければ、「アメリカツアー中」とか「フランスの地方ツアー中」とか「パリにいる」とかが、簡単にわかっただろうに。

余計なことに気をとられて、ピアフその人に、素晴らしい歌や演技に、集中できなかった。
もっとも、構成が難しくても、主人公に魅力があれば、どうでもよく感じるのかも知れない。

私はこの映画に描かれたピアフが好きになれなかった。
演技がうまいだけに、尚更。

なぜなら。
その生い立ちや半生が、確かに恵まれていたとは言えないが、その点に同情したとしても。
「才能はあるけど、超わがまま女じゃないか」と、思えてしまったから。

傷つき易いガラスの心の表れ、なのかも知れないが、だからってわがまま放題で良いとは思えない。
どんなに同情の余地がある境遇でも、「甘えてんじゃねえ」と言いたくなる。

(帰りにちゅうたにこの感想を述べたところ、「ねこちは自分がわがままだから、同じようなタイプ見ると、苛々するんでしょ?」といわれた。「自己主張できないタイプの人は、ここまではっきり言いたいこと言えていいなあ、って思うんじゃないかな」って。ほっとけ。)

何がどう原因になってそのような状態に陥っているのかわかれば、まだ理解できたかも知れない。
ドラッグに溺れるのも、男に溺れるのも、意味不明な言動も・・・何が原因なのか、良くわからなかった。
晩年の病気の演技がうますぎるせいもあって、なにか、精神的な病だったのだろうかとすら思った。
よくわからないから、「アーチストにありがちなこと」で片付けてしまう。

フランスにおけるピアフは国民的大歌手だから、時間軸が飛ぼうが、ワガママぶりを発揮しようが、関係ないのだろう。

でも、劇中でフルコーラスすらしないのに、邦題に「愛の讃歌」をつけ加えねばならない日本においては。
この作品、不親切な作りだと思う。

「ピアフって誰?ああ、愛の讃歌の人かあ」ぐらいの認識しかない方は、鑑賞前に彼女の伝記を読むとか、せめて年表ぐらいは頭に入れてから行った方が良いと思う。

試写で先に観た者として、「これから劇場で観る方々への助言」です。

ほんと、せっかくの演技と歌が勿体無いから!

公式HPの年表と歌の紹介じゃ、まだ足りない気がする。
どの歌がいつ歌われたのか、という情報をもっと補足して欲しいところ。

劇中で2回、「あなたにこの歌を歌って欲しい」と持ってこられた歌を、ピアフが気に入って歌うのだけど。
最後の『水に流して』の歌詞は、ピアフの人生そのものだそうです。
個人的には、この歌が一番心に響いたなあ。

前知識なく観た方が良い映画もあるでしょうが。
この作品に関しては、予備知識を入れておくことを、重ねてお薦めします。

「自分も試写だけじゃなく、もう一回劇場で観ろよ!」ですね。





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Last updated  Oct 3, 2007 12:05:20 AM



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