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りらっくママの日々

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2009年12月29日
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今日の日記(ガリレオ尽くしな昨日と今日♪ )




「ある女の話:カリナ57(好きだから)」


しばらくお互い黙ったままでいたけど、
青山くんは私の顔を見ると、
肩を抱いて引き寄せた。

「カリナ…
嫌なら、やらなくたっていいよ。」

私は青山くんの腕から伝わるぬくもりと言葉にホッとして、
涙がますます止まらなくなった。

「嫌じゃないの…

怖いだけ…」

私は青山くんからもらったティッシュで涙を拭いながら、
何とか言葉を出した。

「あのさ…」

青山くんは、ゆっくりと言った。

「別に体だけじゃないから…。
我慢できるし、納得するまで…。
ちょっとツライけど。」

私が顔を上げて青山くんの顔を見ると、
青山くんが真剣な目で私を見て言った。

「何年カリナのこと待ってたと思ってんの?」

この言葉で我に返った。
彼は3年前、
本当に私のことが好きだったんだ?

青山くんは私の目をまっすぐに見て、
言葉を続けた。

「ずっと、カリナのこと忘れられなかったから、
未練たらしいけど、年賀状出してたんだよ。
カリナが、ボクのことを好きって言ってくれてたから。
ずっと、カリナのこと後悔してたんだ…。」

私が青山くんのことを忘れて、
他の男の人と付き合ってる間、
後悔してたって言うの?
私のこと、ずっと好きだったって言うの?

だからまだ待てるし、
私がいいって言うまで待つって言うの?

バカみたい。
私だって好きだったのよ。
3年前、すごく好きだったのよ。

どうして私が告白した時に言ってくれなかったの?
そうしたらこんな回り道しなくて良かったはずなのに。

心の中に悔しさといっしょに、
何か温かいものがジンと降りてきた気がした。

私は自分から青山くんの頬に手を当てて、
キスをしてみた。

青山くんが大好き。

こんなふうに想われていたことにずっと気付かなかったし、
こんなふうに想われたことなんて、
今までなかった。

自分からこんなことをしたら、
青山くんが我慢できなくなるのはわかっている。
わかってて自分から青山くんの舌を誘うようなことをした。
青山くんは私の誘いに素直に応じてくれた。

もう拒んだりしちゃいけない。

そう自分に言い聞かすけど、
青山くんの手や舌が私の体を支配していくと、
また逃げ出したい気持ちになった。

「ヤ…。
やっぱり…
こわ…い」

泣きそうになりながら言うと、
私の体から顔を上げた青山くんが、
私の目を見て言う。

「カリナ…
嫌いになんかならないから、怖がらないで…。
カリナ…好きだよ…」

優しくて熱いキスをする。
冷たい氷が溶けていくように、
呪いが解けていくように、
私の体からも力が抜けていった。

この人だったら、傷ついたっていい。

好き

大好き


私は青山くんにしがみつく。

体が熱い。


「何か…
あったの…?」

青山くんが私に腕枕をしてくれて、
ボソリと呟いた。

今体が繋がったばかりだっていうのに、
体が離れると、
私の心はどこか淋しい気持ちになった。

「ううん…。
何でもないよ。
何もない…。」

聞かれて昔のことを思い出すと、
怖いことから逃げてきたような気持ちになって、
私は青山くんの胸に顔をうずめる。

「どうしたの?」

「私…
アオヤンともっと早くこうなれば良かったと思って…
もう、わかったでしょ?
3年前に戻りたい…
男の人知るなら、
アオヤンが最初が良かった…」

あんなふうに言ってくれても、
青山くんが私の体を知って離れていってしまうような気がした。

3年前と私は確実に違う。
青山くんが好きだった3年前の私とは…

そのことが無性に悲しかった。

「そんなこと、言うなよ…。
後悔しちゃうじゃん。
ホントは、3年前の初日の出見た時に告白したかったのにさ…。」

「後悔してるの…?」

やっぱりそうだよね…

そう思うと、
少し悲しい気持ちに拍車がかかった。

「あの時、早く告白すれば良かったって後悔はあるけど、
今、こうしてることに後悔はしてないよ。」

青山くんはキッパリとそう言った。

「カリナが何人男知ってたって、いずれはこうなってたんだと思うよ。
ボク、カリナのこと好きで、ずっと抱きたかったし…。
多分、ずっと待ってたと思う。」

何人も知ってないんだけど…

そう思ったけど、
青山くんがそう言ってくれたことが嬉しくて、
つい笑いが漏れた。

「そうなの…?」

「そうだよ。悔しいけど、好きになっちゃってたし。
ずっと、忘れられなかった。」

悔しいとか、忘れられないとか、
自然と心にくるようなことを青山くんが言ってくれるので、
たまらなくなって抱きついた。

「ごめんね…。
私、アオヤンが好き…。すごく好き。」

どうして私はすぐに人を疑うようになっていたんだろう…

私はもう3年前には戻れないかもしれないけど、
それでも今の気持ちは、
3年前の、青山くんのことをあまり知らないで好きだった頃よりも、
ずっとずっと好きになっていると思った。

「あやまらなくていいよ…。」

青山くんは私に軽くキスして笑った。

好きになっていくと、
相手を失うことの怖さばかりが優先して、
体が欲しくなるんじゃないかと思っていた私に、

体が一つになっても、
それだけじゃない安らぎを与えてくれる人がいるって、
初めて知った瞬間だった。

それから青山くんは私の付き合ってた人のことを聞かなかったし、
私も青山くんの過去を聞こうとしなかった。

聞いたらきっと気になって、
その人と自分を比べて落ち込みそうな気がしたからだけど、

付き合っていたのがどんな人だろうと、
今の青山くんを作ってくれて、
私のところに戻ってきてくれた。

そのことに満たされていたからだと思う。
会わない間も、
青山くんの中に私の居場所があったように思えた。

どうかこのまま青山くんとずっといっしょにいられますように。

私は青山くんの体を抱きしめながらそう思った。




前の話を読む

続きはまた明日

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最終更新日  2009年12月29日 21時40分26秒
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