テーマ:自転車(13122)
カテゴリ:一般
今回は、遥か北欧の地で生まれた、
こんな伝説をお届けしよう。 1951年のことである。 読売が初めて日本一を勝ち取り、 力道山がプロレスデビューしたこの年、 スウェーデンで自転車のロードレースが開催された。 “Tour of Sweden” この大会は、あまりの過酷さに 通称「殺人レース」と呼ばれていた。 なにしろ、総距離、なんと1000マイル(1600キロ)! 東京~沖縄を縦断してしまうほどの距離を 走破しなければならない。 それだけに! 生半可な体力、精神力では参加不可能ッ! ところがその年、観衆は思いもよらない 光景を目の当たりにすることとなる。 なんと! スタート直後に何者かがレースに乱入ッ! 物凄い勢いで先頭に踊り出るとッ! そのまま独走――――――――――ッ! 誰もがその目を疑った。 ママチャリ! 普段着! 長~~~い口髭! その姿はレオナルド・ダ・ヴィンチか、 或いは『アルプスの少女ハイジ』のおんじか。 とにかく、お爺ちゃんがママチャリに乗って 爆走しているのだ。しかも、買い物に行くわけではない。 1000マイルを走り切るつもりで。 男の名は、グスタフ・ハカンソン。御年66歳。 観衆の目は、彼に釘付けとなった。 はたして、この無謀な挑戦がどこまで続くのか? レース中盤……、ペースは衰えない。 レース後半……、ペースはなおも衰えない。 遂にはゴールまで……、まさか、まさか……。 結果は、世にも奇妙なポール・トゥ・ウィン! 公式の選手がゴールに辿り着いたのは、 彼の1日も後だというから、その健脚ぶりは凄まじい。 それにしても、ハカンソンの目的は何だったのか? それは、レースの面目を丸潰れにすること。 実は彼、もともとは公式の選手として エントリーしようとしていたのだ。 しかし、大会前の健康診断で「年寄りだから」と 出場を取り消され、ムカついていたというわけ。 飛び入り~優勝は、まさに意地と執念の賜物だった。 ・ ・ ・ とはいっても、やはり信じ難い。 まさか66歳がここまで頑張れるなんて。 王貞治、張本勲、板東英二、 大鵬幸喜、ペレ、ジャック・ニクラウス。 皆、現在66歳。 ママチャリで1000マイル? 嘘だろう? この大会以来、ハカンソンはこう呼ばれた。 “Stalfarfar”(=スーパーお爺ちゃん)、と。 彼は1987年、102歳で生涯を閉じた。 ☆☆☆ ところで、スウェーデンというのは お年寄りが元気な国なのだろうか? というのも、五輪史上最年長メダリストも スウェディッシュだからだ。 オスカー・スパーン。 彼は1920年のアントワープ大会、 射撃のランニング・ディアに団体で出場し、 72歳280日で銀メダルを獲得している。 因みに、最年長金メダリストも彼で、 1912年ストックホルム大会の同競技で優勝している。 Please crick here !! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|