先日、六本木のとある飲食店で、
マニアックな野球トークをかましてきた。

途中、元甲子園球児のご主人までもが
「気になって仕方ない」と会話に参加してきて、
思い出話やら何やらで大盛り上がり。

聞くと、普段は殆ど野球の話はしないらしい。

店には、野球選手ではなく、
サッカー選手がよく訪れるからだとか。

確かに、トイレに入ると中村俊輔のサインが。

そこで「サッカーも好きですよ」と話題を振ってみると、
面白い話を聞かせてくれた。

以前、小野伸二が家族連れで来店した時のこと。

当時、まだ生まれたばかりの愛娘が
食事の最中に泣き出してしまったと。
奥さんが子守唄で寝かしつけようとするが、ダメ。

すると、伸二がスッと抱き上げ、優しく歌い始めた。

泣き声は止まったという。

「一体、何を歌ったと思います？」と、ご主人。

えええええ？

ヒントを求めると「私は感動しました」と一言。
どうも、サッカー選手はよく熱っぽく歌うらしい。

わかったかな？

答えは“君が代”。

歌う方も歌う方だが、泣き止む方も泣き止む方。
かつて『北斗の拳』で、南斗水鳥拳のレイは……。

「てめえらの血はなに色だ――ッ！！」

とか叫んでいたわけだが、
きっと彼らの答えは「日本代表の青色」なんでしょうな。

いわゆる“習性”とでもいうのだろうか。

こんな話もある。

全日本プロレスの和田京平レフェリーが、
ジャイアント馬場とゴルフに行った時のこと。

一緒にラウンドしていて、突如馬場の姿が消えた。

馬場といえば、２メートル超の巨体。
普段ならどんなに遠くまで行っても姿を見失うことはない。

和田が慌てていると「京平～」と声がする。

馬場は、バンカーにいた。

しかし、そこは馬場が見えなくなるほど深くはない。
一体どうして消えてしまったのか？

実は、そこでプロレスラーの習性が出たのだ。

わかったかな？

「どうしたんですか！？」と和田が尋ねる。
「滑って転んだ」という馬場。

しかし、流石は超一流。ちゃんと受け身を取っていた。

あァ、だから消えてしまったのね。

「こんな所で受け身取っちまったよ！」

馬場は少しでもバランスを崩すと、
頑張らずに、すぐ自ら倒れ込み、受け身を取る。
そんな人物だったらしい。その方が怪我をしない、と。

下は柔らかい砂場なのに。

そういえば、自分にも最近まで困った習性があった。

ネット上で“岡田監督”という単語を見ると、
思わずクリックしてしまう。

見てみたら、サッカー日本代表の話だった。

オリックスファンは皆そうだったのではなかろうか。


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