LIBシリーズ No001
企業の報告書は、読んでいてもなかなか理解しがたい。最も、専門書への記載と同等の内容だから致し方ない。
****技報
NO188 2006
コバルト酸リチウムの課題
コバルト酸リチウム(LiCoO2 ) 180℃で酸素放出する。
コバルトは、資源的制約が大きく高価で毒性も強い。
この課題を解決するため浮かび上がってきたのが、オリビン系リン酸鉄リチウム(LiFePO4 )
●400℃程度まで酸素発生・発熱を示さない。
●しかしながら、このままでは導電性が低く、Liイオンの拡散速度が極めて遅いという欠点がある。
これら欠点を解消した開発された正極材料として
● 表面に導電性炭素層を配した活物質一次結晶超微粒子からなる微細構造としたリン酸鉄リチウム正極材料。これにより一次結晶粒子の導電性が向上するとともに、粒子間接触抵抗も低減、さらにLiイオンの活物質結晶内拡散が速くなった。
● 少量の異種金属元素(Мо)を添加することにより一層の導電性を付与した。
NO192 2007
高性能リン酸鉄リチウム(LiFePO4 )の開発
● 活物質の超微粒子化
超微粒子化により、活物質内のLiイオン拡散速度を制限し、また導電性助剤との接触を向上させることによって高出力化を図った。
● ナノハイブリッド化
導電性助剤として炭素を超微粒子活物質表面にナノの厚さに析出させ、表面導電性を向上。
● 異元素複合化による活物質改質
異元素としてМо等による複合化によって、電子伝導性の向上とLiイオンの自由度を上げ、電子・Liイオンの移動を促進。
リン酸鉄リチウムを使用したリチウムイオン電池も、市販されるようになっている。
過去の報文の一覧
2010 No201 鉄系リチウムイオン二次電池用正極材料の電気自動車への適用
2010 No200 低炭素被覆・高性能リン酸鉄リチウム正極材料の開発と量産化
2007 No192 次世代LIB用リン酸鉄リチウム正極材料の製造プロセスの開発
2006 No188 リチウムイオン電池用リン酸鉄リチウム正極材料の開発
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