カテゴリ:大和絵
雅なる大和絵の魅力を又別な方面から語ろうと思います。
初めに採り上げるのがこの作品。 大和絵の至宝 9 でもちょっとご紹介しました。 ![]() 随分古いもので、現状がどうなっているか? 京都、神護寺の所蔵でありますが、保存の為あるいは、修復の為、博物館にその管理をゆだねている場合も多く、この作品の様に古くても国宝である場合は、展示される機会が事実上許されなくなってゆくもの。 文化庁の管轄に入っている全ての国宝は、法律に基いて、規制があり、様々な縛りが出てくるのですが、個々の性質によって、その取り扱い方もまた、随分違ってくる事があります。 一年間のうちに何日か公開せねばならない・・・などの縛りは、古すぎて修復が必要であるモノについては例外とされ・・やつれて、現状をとどめることが難しいものは、なかなか人前には出陳されないのです。 以前にも採り上げたこの作品は、大和絵の原点とも言うべき作品で、12世紀、およそ900年も前に描かれ、しかも、平安時代の雅な国風文化を反映したその作風が、例を見ない貴重なもの。 【山水屏風】と呼ばれていますが、画題がどういうものであったかも良くはわかっていません。通称で、神護寺の山水屏風・・・と呼ばれているわけです。 とにかく、その床しい事限りなく、出来立てのほやほやを眺められた! としたら、忘れえぬ親しみが誰の胸にも宿るに違いないと思われる出来栄え・・・ 大和絵って、いいなあーー。 と誰しも深く感じたでありましょう。 残念ながら、公開されたとしても、古びて、やつれ、修復されてはいますが、現状保存が原則でありますから、とてもとても、お世辞にも美しいと言う感じはせず、ナンだか古臭く、何描いてあるかも良くわからない・・・・ことでしょう。 しかし、国宝といえども、物質ですから、消えてなくなるのは運命・・・ 日本画が、日本画という呼ばれ方をされるようになって、百数十年しか経ってませんが、 あえて、日本画という概念を用いれば、日本画の中の日本画とは!? と問われれば・・・それは、この作品の事です!! ということも出来ると思います。 ピカソが描いたワケワカラン絵でも、100億円する!! と、言われれば、誰しも、見たくなりますが・・・真価が解らずに、古びてゆくだけの希少価値も事実存在しているのです。タイヘン価値ある絵画なんであります・・・ ![]() 拡大すると、地の絵絹が露出しているのがおわかりでしょう・・・ 俗に言う、緑青焼け・・・を修復した後の色・・・・ 大和絵こそ日本視覚文化の王道であります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年06月23日 19時10分40秒
コメント(0) | コメントを書く
[大和絵] カテゴリの最新記事
|
|