ロンドン　ドックランズ・ストーリーズ~Stories of London Docklands

　初めての方は、手前の前編を読んでね。



翌日、つまり、旅行出発当日ですが、

その日の朝から旅行予定、宿泊、ルートだの
大幅改善のために、ネットで調べまくりました。

その間にも、ニーノ君に朝ごはん、昼ごはん、
お昼寝、そして散歩にもつれていかなければいけない。
ずっとPCに張り付いていられるわけではない。

遊んでいる間に、どこかにぶつけて泣き出すこともあるし、
相手してくれと愚図ってくることもある。


散歩は、その日は無理にしなくてもいいかもしれないが、
大人の都合でニーノ君の楽しみがなくなるのも、かわいそうで、
散歩を抜きにはできなかった。


いろいろ調べたけれど、宿泊予定のホテルをキャンセルしたり、
安くて、評判のいい滞在ホテルをやっと探したと思っても、
いいところはもういっぱいだったり、
（そりゃ、だって、日が近いからねえ）

焦りとPCの画面のせいで、私も吐きそうになるくらい具合が悪くなってしまいました。

どうせ、無料の航空券といえど、それでも元々はお金ですからね。
実際同じものをとれば500ポンド以上もするわけで、
もったいないことはこのうえない。

しかも、キャンセルできないレンタカーの代金、パーキング。


金欠ファミリーだっていうのに、
使わないで捨てるお金...
こういう無駄の仕方はもっとも悔しいじゃありませんか。

ああ、ムカつく、ゴーカート男！！


ニーノ君との散歩を終えて帰ってきて、
荷物を減らしたりするも、なかなか準備が終わらない。
出発時間は刻々と近づいてきて、
なんども「もう、今回はいくこと、やめよ」とあきらめかけた。
あきらめる方が、どれほどラクか。

とにかく、行くか、行かないか、決心したかった。
気持ち的にラクになりたかった...

そのとき、とても敬愛している知人のところに電話をかけた。

すると、
「いきなさいーーー、すぐにいくのよーー！」

といわれたので、泣く泣く引き続き準備をして
といってもほとんど途中で終わりにして
あきらめずに行く方向へとがんばった。

最初の移動型から滞在型へ、ラストメネッツで変更した旅。
そのとき、ふと思うゴーカート男のところに電話をする。

彼としては行かない理由は、仕事が忙しくて週末にも働きたく、
そして仕事のエネルギーを残して置くためにも、旅行にいって疲れたくなかった、
そういうんだけど.....（なにいっとるんじゃ、いまさら）

「俺はいかないから、行っても、ずっとホテルにいるからな
　（でもいきたくないよ、というニュアンスの方が強い）」

という言葉を思い出して、電話したのだ。

そういえば、一箇所アヌシーに滞在にしたから、
彼も来たいと思うかも...それだったら、とりあえずは
チケットも他のものも、無駄にならなくて済む....
移動の時間はあるけど、あとは、ホテルで仕事していればいいわけだ。


「ニーノ君と私とでいくとなると一箇所に滞在する旅になるんだけど、
　あなたはホテルにいても構わないんだけど、どう、来る？」

と聞くと。


どうやら、前日の急なドタキャン宣言といい、
なんだか悪いと思い始めたのか、反省したのか、

「........俺も行くよ」と言い出したのだ。


で、彼は、最初の予定通り、職場から直接空港に向かった。
予定と違うのは、彼は旅行用の用意をさっぱりもっていないということだ。
出勤前に「ゴーカート男はいかない」と結論してしまったから
なにも持たずに出勤していったわけだ。


さて、私もその電話をしたあとで、即効で空港に向かったが、
かなりパニック状態だったので

ヒースローに向かうための最寄の駅に行く途中、
ニーノ君と私のパスポートを忘れたことに気がついて
取りに戻るわ、（パスポート持たずに家をでるって....）

そして、取りに戻ったはいいけれど、
前に書いたとおり、英国滞在許可のビザがついた前のパスポートを忘れ、


ニーノ君の食事の後始末もできずにキッチンはハチャメチャだわ、
炊飯器にはごはんが残っている状態....だわ、
（帰ってきたときは、お酒にできそうでした、笑）
リビングはニーノ君のおもちゃや本が散乱。


とにかく、最悪の状態で家を出た。気分もサイアク。

それに、
もしかしたら、間に合わないかもしれない、ときている。

ヒースローにいって、「残念でした、ボーディングに間に合いませんでした」
で、そのまま家に戻る羽目になる覚悟で地下鉄に乗って行ったのでした。