「ロシア版U-2」M-55「ジオフィジカ」戦場へ復帰の可能性
2023年10月下旬、ロシアはS-400地対空ミサイルなどの防空システムをウクライナとの戦闘で立て続けに喪失。 11月10日、英・国防省はロシア軍が防空システムを相次いで失っており、ウクライナの占領地上空を守備するためには、ロシア国内の遠隔地に配備されている防空システムを転用しなければならない可能性が高いと発表した。 11月26日、英・国防省は、ロシアがウクライナ戦線での損失を補うため、防空システムをバルト海沿岸にある飛び地・カリーニングラードから移動させた可能性が高いと発表した。 不足する防空システムを補う目的もあるのか、高高度偵察機M-55「ジオフィジカ」が復帰する可能性があると英・国防省が発表した。 M-55「ジオフィジカ」高高度偵察機は単発機のM-17から発展した機体。PS-30-V12 ターボファンエンジンを双発化し最大離陸重量を24,000kgに増加をはかった。1988年に初飛行、1994年生産終了。M-55は学術研究の分野で現役で、1機は1996年から1997年にかけて北極の成層圏の研究の一役を担った。 1993年9月21日、M-55が高度21,360m (70,078 ft)に達し、クラス記録を樹立した。M-55は合計15のFAI世界記録を樹立し、その全ては現在も破られていない。 まだ生きてた!? 退役済み「ロシア版U-2」戦場へ復帰の可能性 どこに保管されていたのか乗りものニュース 2023年11月24日不十分な航空偵察を強化か? 高高度偵察機を投入する利点とは? イギリス国防省は2023年11月19日、ロシア軍が旧ソ連時代に開発された高高度偵察機であるM-55「ジオフィジカ」を再稼働させる可能性があると発表しました。 この機体は、アメリカのU-2のように高高度から敵勢力を偵察する高高度偵察機として開発された機体です。イギリス国防省の分析官が、最近のロシア軍の動向を示す写真を確認したところ、現在は、民間で学術研究のために使用されているはずのM-55が、軍用の偵察ポッドをつけていたとのことです。 ロシア軍は現在、ウクライナ側の防空システムを警戒し、作戦での上空からの情報収集・経過監視・偵察(ISR)が不十分な状態にあります。その問題を、同機の高高度偵察により補おうという狙いがあるようです。 同機を偵察用に復帰させてば、ロシア領空内から比較的安全にウクライナの地上目標の状況を知ることができるそうで、イギリス国防省は「ウクライナ上空でのロシアの限られた偵察能力を強化するために、前線に復帰する可能性がある」としています。 ― 引用終わり ― 高高度であればウクライナ軍のドローンを恐れる必要はないだろう。 ロシアは極東からも兵、武器を移動している。中国が弱体化したロシアの足元を見る可能性は高い。 諸 元 乗員:1名 全長×全幅×全高:22.86 m ×37.46 m ×4.8 m 翼面積:131.6 m2 アスペクト比:10.6 空虚重量:13,995 kg 最大離陸重量:24,000 kg 有効積載重量:1,500 Kg エンジン:2 × PS-30-V12 ターボファンエンジン、98 kN 最大速度:750 km/h 巡航高度:21,500 m 航続距離:4,965 km 滞空時間:6時間30分