船体亀裂確認するも運航継続 「クイーンビートル」、三胴型高速艇
日韓間の国際旅客船「クイーンビートル」が、船体に亀裂が確認されたのに、報告や点検をせずに運航を続けていた。 高速艇であれば衝撃も大きいことが予測され、なぜこのような安全軽視の事態が生じたのか、組織体質が問われる。 船体亀裂確認するも運航継続「クイーンビートル」安全確保を国土交通省が命令2023年6月23日 RKB毎日放送 博多と韓国の釜山(プサン)を結ぶ国際旅客船「クイーンビートル」が、船体に亀裂が確認されたのに、報告や点検をせずに運航を続けていたとして、国土交通省は23日、JR九州高速船に対し、輸送の安全確保を命じました。 国土交通省などによると、「クイーンビートル」は、今年2月11日の運航中に浸水警報装置が作動。 12日にダイバーが潜水して確認したところ、船首部分の水面下に幅7センチほどの亀裂が見つかったものです。 運航するJR九州高速船は、亀裂部分に応急処置をしたうえで14日までにさらに3便を運航していて、その間、国などへの報告や、法に基づく臨時検査をしていませんでした。 運航中、乗客や乗員にけがなどの影響はなかったということです。 これを受けて国土交通省は、JR九州高速船に対して、輸送の安全の確保に関する命令を出すとともに、文書での報告を求めています。 ― 引用終わり ― クイーンビートルは、全長83.5m、幅20.2 m、旅客定員502名、2,300国際総トンの三胴型高速艇。 航海速力は36.5ノット(約67.5km/h)。 主機はMTU 16V1163 M74型ディーゼル4基で出力26,104馬力(19,200キロワット)。 推進器はウォータージェット4基。 2020年9月29日に引渡しを行い、オーストラリア・パースから10月15日に博多港に到着。 デザインは列車のデザインで著名な水戸岡鋭治氏が担当。船内はバリアフリー仕様。 当初はパナマ船籍だったが、制約が大きいことから2022年3月に日本籍に変更、4月から博多港 - 門司港、博多港 - 長崎港間航路の運航を開始した。