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2005.02.23
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ジェームズ・ヒルトン『チップス先生さようなら』
James Hilton, Good-bye, Mr.Chips(菊池重三郎訳)
~新潮文庫~

 1870年、22歳のとき、チップス先生はブルックフィールドに赴任した。生徒にいたずらされないように、最初の授業では緊張しながらも、うまくやることができた。
 65歳まで、彼はブルックフィールドで教鞭をとった。古典や歴史を教えていた。やめてからも、学校のそばのウィケット夫人のもとに住み、しばしば学校を訪れたり、また生徒や教師らもチップス先生のもとを訪れた。チップス先生はブルックフィールドを誇りに思っていた。
 ブルックフィールドでの生活、それが彼の生涯であった。

 これはオススメです。
 とにかく泣きました。教師ものって弱いのです。やっぱりあこがれの職業だから。まぁ教師ものじゃなくても涙もろい私は泣くけど。
 独身と思われているチップス先生だが、結婚していた時期もあった。相手の名前は、キャサリン・ブリッジズ。チップス先生自身はとても保守的な考え方をしているのに対して、キャサリンはとても急進的な考えの持ち主だった。にも関わらず、二人はひかれあい、結婚した。
 この二人の出会いが、なんだかステキなのです。きっかけは、ちょっとマヌケかもしれないけれど、二人がひかれあっていくところがいい!こういうのいいなぁ。
 学校での出来事にチップス先生が対処するとき、キャサリンは助言をしていた。彼女のアドバイスを、彼も参考にする。本当にいい夫婦。憧れるなぁ。
 東部貧民区域の慈善学校とブルックフィールドの試合の件は、印象に残っている。
 私自身は、どちらかといえば保守的な人間だと思う。一方で、急進的な考えをする人に(その程度にもよるが)憧れもする。キャサリンの考えには、だから憧れる。もちろん、保守的な考えが悪いとか、急進的な考えが良いとか言っているわけではない。ついさっき述べたように、私自身はどちらかといえば保守的である。保守的な考えの人間も急進的な考えの人間もいて当たり前なのであって、大事なのはお互いがお互いの良さを認めあい、良いところは取り入れていく姿勢を示すことである。当たり前のことのようで、なかなか実現はしていないようだし、自分自身できていない部分もある。すぎな関係者も数人はこの日記を読んでくれていると思うので書くけれど、私はなんだかすぎなの定例会議を思い出した。基本的に多数決によらず、じっくり話して、いろんな意見の善し悪しを検討し、活動を決めていく。あれって、良いスタイルなのだと思う。
 さて小説の話にもどって。チップス先生は洒落が上手で、みんなの笑いをとる。生徒たちは、チップス先生の新しい洒落を聞きたいがためにいろんな質問をし、良い洒落が聞けたら、それを友達に自慢するのだ。
 爆弾が落ちまくっている中での授業。最初に受け持った生徒の子供、孫も受け持ち、その親の話を冗談交じりに話す。彼自身は、子供をもつことができなかったけれど、でも彼には、何千人もの子供がいる…。
 素敵な物語でした。Thank you, Mr.Chips!(and, of course, Mr.Hilton)

ーーーーーーーーー
久々に本棚紹介。ヒルトンの作品に感動したので、今日は海外作家の作品の棚をば。
海外作家の棚
左側の上三段は、CDです。右側の三段目、赤い背表紙の並びは、大好きな「赤毛のアン」シリーズ。読み返したいけれど、未読の本がまだまだあるから、なかなかできなさそう。





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Last updated  2007.11.07 19:39:35
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