カテゴリ:本の感想(た行の作家)
筒井康隆『わたしのグランパ』 ~文春文庫、2002年~ 『時をかける少女』に次ぐジュヴナイルものだということです。『時をかける少女』もとても面白かったのですが、本作も良かったです。SFの設定がないこともあり、個人的にはこちらの方が好みですね…。 主人公の五代珠子さんのおじいさん、五代謙三が刑務所から戻ってきます。その直前に、謙三の妻―珠子のおばあさんは家を出て行きます。どうしてもおじいさんに会いたくない、と。珠子は、おばあちゃんと呼ばれるのを嫌がるおばあさんをグランマと呼んでいました。そこで、謙三のこともグランパと呼ぶようになります。 珠子の学校は荒れていて、上級生を中心に校内暴力をはあり、珠子自身も、いじめを受けていました。 ある日、下校時にいじめられていた珠子の前に、グランパが居合わせます。そのときの珠子の言葉から、彼が刑務所帰りということが同級生に知られてしまい、祖父が刑務所帰りということで、さらに言葉のいじめがエスカレートします。その状況を受けて、グランパがとった行動とは……。 内容紹介をすれば、こんなところなのでしょうが、五代謙三(通称ゴダケン)さんのかっこよさったらないです。 グランマが、グランパが帰ってくる前に家を出て親戚のもとへ行ってしまう気持ちも伝わってきます。ラストのエピソードでも、涙が……。 良い読書体験でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.04.22 08:05:30
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