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太宰治『人間失格』 ~新潮文庫、1985年~ 太宰治(1909-1948)による自伝的小説です。心中して自分だけ生き残ったり、親族や友人により脳病院に入院することになったりといった、太宰治の生涯の大きなイベントが描かれます。 もっとも、作品の主人公、葉蔵は、画家(漫画家)という職業であるなど、そっくりそのままではありません。 「はしがき」の3枚の写真の描写(葉蔵の「醜い笑顔」)はなかなかに印象的です。 本編は葉蔵の「3つの手記」ですが、そういう笑顔になってしまった家庭環境や学校の状況、そして女と酒に溺れていく過程が描かれます。 初出は雑誌連載ですが、後半は自殺後に発表されたということで、そのエピソードも衝撃的です。 奥野健男氏による解説は、太宰治の生涯と作品の概観と、『人間失格』の意義を論じていて、本編を読む助けになりますし、非常に勉強になります。
(2021.11.02読了)
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