野良猫ヤマト、おうちへ引っ越し後

[お別れとその後] カテゴリの記事

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• 地域にゃん（つづき）

  前回途中で公開してしまったので、つづき。その触りやすい地域猫を触っていると、まさに「指が覚えている」といおうか、猫の顔、首、足、背中を勝手に気が済むまで触りまくった。ヤマトが弱ってくると、あまりいじくり回すのも可哀想だったし、死んでからはもちろんしなかったことだ。死んだときは、死んだことを受け入れるのに精一杯で、どんな風に可愛がっていたか思い出せなかった。リアル猫を触ると思い出した。「ああ、こんなだったねえ。こんなふうになでなでしたね。ヤマト、楽しかったね。ヤマトありがとうね」と、よその猫さんには迷惑かもしれないが、勝手に話しかける。地域猫さんありがとう。

  2017.10.01

• 地域にゃん

  地域猫、というのがいる。野良猫に避妊・去勢手術をして、増えないようにしたヤツらで、目印に耳の端っこを切ってある形状から「さくら猫」などとも言われている。きのう、公園にその地域猫がいたので構って遊んだ。うち一匹が異様に人なつっこく、やたら触りやすく、膝に乗ってきて、私の肘をまくらにしてゴロゴロ言いながら爆睡。

  2017.09.28

• かわいい

  ヤマトは色んな別名があったが、「かわいい」も名前だと思っていたようだ。一緒に暮らした約10年、毎日毎日飽きもせず「ヤマトさんはかわいい」「ヤマトさんはかわいい」といい続けたので、別室でほかのものを「かわいい」と言っていたところヤマトが飛んできたことが二回あった。自分のことを言っている、と思ったのだろうか。

  2017.09.25

• ヤマト触り放題

  ヤマトの過去ブログを少しずつ読み返している。そうすると、ヤマトは最初から飼い主に心を許していたわけでなく、だんだんと触りやすくなり、抱っこもしやすくなり、ついにどこを触っても嫌がらなくなったのがよくわかる。晩年は耳からしっぽまで触りたい放題だった。ただ、真っ正面からの抱っこはあまり好きでなかったので、編み出したのが二人羽織形式。飼い主は三角座りし、ヤマトを抱き上げる。両手でヤマトの前足ワキに手を入れて安定させ、後足は飼い主の足の上に。このポーズだとじっとしているので、ついでにヤマトの首筋に顔をうずめるのも日常化していた。抱っこより好きだったのが、飼い主のヒザで丸くなること。ヒザには敢えて、飼い主から乗せたことはない。飼い主が椅子に座っていて、ヤマトがこっちを見ているときに「来るか？来るか？」と両手でヒザを叩いてみせればたいてい自分から乗ってきて、ゴロゴロ言っていた。唯一通じていたボディランゲージ。ヤマト、毎日楽しかったな。ヤマト、ヤマト、飼い主は寂しいよ。

  2017.09.24

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  旅の途中

  飼い主の脳内では、休暇をもらったヤマトがきょうも旅を楽しんでいるのであった。サンダーバードに乗って北陸へ。車内では「ます寿司」を食べる。包んである笹の葉っぱも大好き。畳の部屋で、梅の形をしたもなか「福梅」を食べる。温泉に入って「いい湯だな」を歌う。鶴仙渓をそぞろ歩き、渓谷美を愛でる。さらに北へと移動し、ロープウェーでひとあし早い紅葉を楽しむ。今夜もうまい酒とうまい魚に舌鼓を打つのであった。

  2017.09.11

• 

  アルバム作れるのか

  ヤマト、ペットロス解消にはアルバムを作るのもひとつの手なんだって。それで、11年間デジカメで撮ったヤマ写真を一カ所に集めてみたわ。これどうすんの。こんなん選べないって。どれも可愛いすぎて。

  2017.09.07

• そして１ヶ月がたった

  ヤマトがいなくなって１ヶ月たった。ヤマトは角田光代さんの「任務十八年」のように表彰されて、ご褒美の休暇をもらっただろうか。バケーションをエンジョイしているだろうか。緑色の特急に乗って温泉地へ。畳の部屋で温泉まんじゅうを食べる。朝食はもちろんシャケと海苔。一風呂浴びたあとの二度寝を満喫。焼き物がさかんな土地ゆえ、手びねりで花瓶など作る。みやげ物屋街の試食めぐりも楽しい。干物ってうまいとびっくり。酒のうまさに目覚め、地酒の詰め合わせを買い求める。夜寝る前にちびちびと楽しむのだ。おつまみはもちろんスルメ。旅先でのんびりと疲れを癒していたところ、痩せた衣を着た仲間に出会い、野良ゆえの苦労話を聞き、そういえばと飼い主を思い出し涙する…。あかんあかん。飼い主に都合のいいストーリーやな。何もかも忘れてゆっくり休みなさい。飽きたら、またうちに来てな。飼い主は毎日寂しくてたまらんよ。

  2017.09.06

• ヤマトの若にゃん時代

  ヤマト、このブログで10年前の写真を見たら、やっぱりムチムチしてしなやかな身体してるな。だんだん年老いていったんやね。10年前のヤマトも可愛いけど、10年前はここまでヤマトのことを愛しいと思ってなかった。ヤマトは野良生活をしてたから、だんだん慣らしていったんやったね。ブログ読んだら詳しく書いてて、記録しといてよかったと思ったわ。だって最後はノラネコだったなんて思えないくらいのんびりしてたよ。顔つきがな。野良のときは若いけど、なんか警戒してるっていうか。うちへ来てから安心したのか、年取っても逆に顔つきがあどけなくなっていったような。ヤマトのこと大好きやったわ。ヤマトのこと本当に大好きやったわ。

  2017.09.04

• 保護猫カフェ

  ヤマト。昨日、保護猫カフェに行ってみたわ。いま行ったら、後先考えずに猫連れ帰ってきそうで怖い気もしたんだけど。けど行ってみたらよく分かったわ。ヤマトの代わりはいないんだって。保護猫カフェにいる猫さんはみんな若にゃんさんでな、だいたい一歳未満なの。だからすっごい元気。触ってみたら、あまりにフカフカで柔らかくてお肉が弾力あるのにびっくりした。ヤマトはあんなにぱさぱさで弾力なくなっても、一生懸命生きてたんやな。うちはヤマト一匹しかいなかったから、ヤマトがすっかり老化してるのにあんまり気づいてなかったな。いや、気づきたくなかったのかな。ヤマト。他の猫可愛がるなんて許せないにゃーってヤキモチ焼いてくれる？野良のときからヤマトはヤキモチ焼きやったね。

  2017.09.04

• ヤマトと足腰

  大島弓子「グーグーだって猫である」を読むと、グーグーも15歳くらいで旅立ったらしい。晩年は足腰が弱くなってトイレに苦労したり、飼い主である大島弓子さんのベッドにのぼるのも無理で段差を作ってやっていたそうだ。内臓は何かと弱かったヤマトだが、足腰は丈夫だった。お気に入りの猫ベッドは高さ180センチのクローゼットの上に置いており、そこへカラーボックスなどで段をツーステップ用意してあげて1,2の3で登れるようにしてやっていた。この猫ベッド、ここ数年は冬の寒いときしか入らなかった。最後の冬（去年末～今年の始め）は、「ヤマトももうトシだから、高いところを乗り降りするのは大変だろう」と、猫ベッドを高さ60センチくらいのところへおろしてみた。そうすると、まったく入ろうとしない。仕方なくもとの高さに戻すと、普通に乗り降りして利用していた。毎年のことで夏は乗らなかったが、５月くらいまでは夜ゴハンのとき、飼い主の膝に毎日乗っていた。先日火葬したときも、骨はどこも損傷してなくてとてもキレイだった。

  2017.08.29

• 冷房と電気代

  ヤマトは夏に弱い猫だった。このブログを見返しても、引き取って最初の夏から、毎年膀胱炎になったり腎臓を悪くしたりと、なんやかんやシンドイ目にあっていた。でも、飼い主はクーラーが苦手で、まいとし一番暑い時期でも１日数時間しかクーラーをつけなかった。このブログの初期に出てくる「猫先輩」は二匹の猫をかっていて、夏は外出するときもクーラーをつけっぱなしにしていると言っていた。「そ、そんな電気代かかることムリ！」と思い、ヤマトは飼い主の体感に合わせる羽目になった。１日数時間のクーラーは、ヤマトはつらかっただろう。死ぬ前の１ヶ月くらい、ようやく「ヤマトのためにクーラーをつけよう」と思いたった。なのに、ケチな飼い主はいつもより数時間クーラーの時間を増やしただけだった。外出するときはタイマーで三時間後にOFF。夜寝るときもタイマーで二時間後にOFF。昼間完全にクーラーをつけっぱなしにしたのは、死ぬ前一週間くらいか。それでも電気代が心配で、夜はタイマーにした。先日、ヤマトが死ぬ前１ヶ月ぶんの電気代の請求がきて、飼い主は号泣することになる。なんと前年比0.3%増でしかなかったのだ。ヤマトごめん。ヤマトごめん。ヤマトごめん。24時間クーラーをつけっぱなしにすればよかったな。それでもあれ以上長生きはできなかったかもしれないけど、脱水はマシだったんじゃないかな。ヤマトが夏に弱いって、つまり暑さに弱いってことやん。飼い主アホやな。クーラー代が例年の二倍になってもよかったやん。ヤマトのいる生活はプライスレスやったのに。「暑いよ～」って言葉で言えないから、長くのびて暑さをしのぐしかなかったんやな。ヤマトごめん。

  2017.08.28

• 飼いはじめて分かったこと

  ノラネコだったヤマトを引き取って分かったことはいろいろあった。まず名前。ヤマト、は飼い主がつけた名前ではなく、住処だった職場でそのように呼ばれていた。さいしょ「クロネコだからヤマト」って何と安直な名前だろう、しかもメスなのに…と思った。改名も考えたけど、すでに職場ではその名前で定着しており、ヤマトと呼べば返事をしていたので、いまさら変えるのもかわいそうだからそのままにした。ただ、今になっておもえば、改名してもたぶん大丈夫だっただろうと思う。引き取ってからは、ヤマト、やまこ、やまにゃん、やまくそ、やまぴょん、ぴょんちゃん、ニャンさん、ニャー、やまねぎなどなど、、いろんな呼び方をしたけれど、すべて認識していて鳴くかしっぽや耳を動かすかして反応していた。最晩年に、飼い主はなぜか「やまねぎ」という呼び方を気に入っており、「やまねぎ」はおろか、「ねぎ」と呼んだりしていた。それでも、「ねぎは？ねぎどこ行った？」と言うと、疲れにムチ打ってトコトコとやってきて「あっ、いいんですよ、ごゆっくりなさっててください」などと言う日々。仮に、「クラフトフラッシュ・ローヤルウェイ・グッドダルメシアン・モンタナ」（これでひとつの名前）とかに変えても、自分の名前と認識したのではないか。

  2017.08.23

• ヤマトに話す

  飼い主は、ひとりでやたらとブツブツ言うようになった。家の中はおろか、外でもこっそり言うようになった。けっこう危ない人である。本人はヤマトに話しかけているつもりである。角田光代さんの「任務十八年」（文庫「きょうも１日きみを見てた」収録）を読んで、任務が終わり衣を脱いで帰る猫さんにヤマトを重ねる。ヤマトいまどこまで行った？ヤマトは優秀やから、とうぜん表彰されてるよね。休暇もらったかな？どこか涼しいところで、焼き魚とかササミとかたべながらゆっくり休んだらいいね。さいごは疲れたからね。でも、ゆっくり休んだらまた帰っておいでよ。退屈したらまた衣着て帰っておいで。トイレの場所もご飯の場所もあけてあるから。ヤマトは窓際が好きやったね、そこもそのままにしてるから。うちやったら多頭飼いじゃないから、「ニャイバル」もいないし。飼い主めんどくさいかもしれへんけど、でも大事にするし。ヤマト寂しいよ。寂しいよヤマト。

  2017.08.22

• 猫動画

  飼い主はヤマトが逝ってから、やたらとYouTubeで猫の動画を観るようになった。以前は「うちのヤマトさんがいちばん可愛い」と思っていたので、わざわざ動画など観る気がしなかった。いまは「黒猫」で検索して黒猫ばかりみている。それでようやく分かったことがあった。猫は、鳴き声や表情が一匹一匹違うように、しぐさも全く違うのだ。たとえば「黒猫　顔を洗う」で検索してみても、うちのヤマトと顔の洗い方が違う。どうやらヤマトなりの順序があったらしい。「黒猫　フミフミ」で検索すると、これまたまったくちがう。多くの猫さんは布の上でじっくりと揉んでいるが、若き頃のヤマト（晩年はフミフミしなかった）は、いつも床の上で「早く！早く！」と焦れたように小刻みにフミフミしていた。「黒猫　ゴロゴロ」で検索してもそう。ヤマトのゴロゴロ音とは似ても似つかぬ音がする。多頭飼いでなく、一匹で飼っていたから気づかなかった。考えてみたら当たり前だ、人間だって歯の磨きかたとか寝相とか人によって全然違うだろう。

  2017.08.22

• そして二週間

  飼い主はヤマトが生きていたときから毎日ヤマトに話しかけていたので、今も話しかけている。ヤマト、かわいかったなー。ヤマト、お利口にゃんやったなー。ヤマト、ホントにいい子やったなー。ヤマトは分かってたんやんな。自分がもうじき死ぬって。最後、無理させて悪かったな。ヤマト、生まれ変わってまたうちに来てくれる？ヤマトこんどはどんなガラがいい？黒、白、しま、茶、ブチ、ミケ、でもやっぱり黒がいいかな。ヤマト、悪さしなかったのは、拾われてきたから気を使ってたのかな？こんどは柱をバリバリしたり、モノを倒したり壊したり、エサの好き嫌い言っても大目に見てあげよう。ヤマトやっぱり寂しいな。寂しいよヤマト。

  2017.08.21

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  ヤマト逝く

  ▲ことしの春くらい、お気に入りの窓際でひなたぼっこ姿をベランダ側から撮影かなり急だった。ヤマトは入院二日目で逝った。８月６日の19時15分ころ。 オシッコが１～２時間出なくなったら２４時間以内に死ぬ可能性が高い、と先生に言われていた。が、その前に呼吸が止まったので、老衰だったのだろう。推定年齢14～5歳。 ★６日の朝面会に行ったら、点滴されながらうつ伏せにされていた。立つ元気がないのだ。抱っこして、いつもの習慣で首もとに鼻をうずめたら、ヤマトの匂いがした。そのとき、ヤマトが弱々しいながらもグリッと飼い主の顔に顔をすりつけた。いつもの、「これは自分のもの」を示すマーキングである。ヤマトは家中のモノや飼い主夫婦に毎日マーキングをしていた。 夕方、主治医のK先生から「具合がよくない、急変の可能性がある」と電話があった。前もって「死ぬのならうちで送ってやりたいから、連絡して欲しい」とお願いしていたのだ。でも可能性は五分五分とのことだったから、先生を信じて病院にお願いすることにした。夕方１８時ごろもう一度面会に行った。黒目が大きく開いていて、心配だったけど「ちゃんと迎えに来るからね」と念を押して帰宅することに。家路についてる最中に「呼吸が止まりました。すぐ戻ってください」と先生から連絡。「蘇生措置はどうしますか」と聞かれ、「お願いします」と言ってしまった。どうしても、生きてるヤマトさんの最期を看取りたかったから。 病院に着いたら、K先生が蘇生措置をしてくださっていた。でも、舌を噛まないようにか引っ張り出して固定してあるのを見て、あんまりかわいそうになって、先生には申し訳ないけど止めてもらった。飼い主は、五年以上お世話になった信頼してるK先生だから、とにかく可能性に賭けたい、万一のことがあって病院で死んでもK先生に診てもらえるのなら…と勝手に考えた。でもヤマトは、おうちで最期を迎えたくて、飼い主が迎えに来るのを待っていたかもしれない。さいごに病院に連れていくときは、大のお気に入りだった窓際で横になっていた。死ぬのを待ってほしいとか、病院に連れて行ったりとか、人間の勝手で悪かった。夜は、夜伽みたいにヤマトの好物の明太子とかささみを買ってきて食いながら、ヤマトの思い出話をして、このブログの過去分も見て、夫婦で泣いた。

  2017.08.09

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