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テーマ:フィギュアスケート(3613)
カテゴリ:フィギュアスケート
羽生結弦 衝撃演技で王座奪還 全日本フィギュア 男子フリー ************************** フィギュアスケートに詳しいMizumizuさんの解説を 転載致します。 ------------------------ 羽生結弦のショート、スピン「0」点が投げかけたもの https://plaza.rakuten.co.jp/mizumizu4329/diary/202012270000/ mizmizさんのブログより転載 羽生選手の全日本V奪還で終わった男子シングル。 あまりの「神々しさ」に・どれほど羽生結弦という存在が突出 しているか・そして長いフィギュアスケート史上においても もっとも輝かしい星として語り継がれる選手になるであろう という話を書こうと思っていたのだが・ショートのスピンが ノーカウント(無価値)とされたことが大騒ぎになっている 事をネット上で知って正直驚いた。 なので・フィギュアスケートの採点について常に疑問点を呈して きたMizumizuとしては・この問題をまずは取り上げないわけには いかないだろうと思う。 個人的には・このショートのスピン「0」は・さほど驚く事では なかった。最初にレベルがついたのが・技術審判 (日本スケート連盟では「技術役員」と言うようになったらしい ので以後はこれにならう事にする)の審査のあと・ノーカン (無価値)に変更されたという経緯を見ると多分「姿勢」が 保持されていなかった・もしくは保持されていたとしても 回転数が足りなかった(とみなされた)位の事かな? と思っていた。 今季最初の試合だし・こういう事はまま・ある。 いわゆる「取りこぼし」だ。 ステップでも「ターンが不十分だとみなされた」事でステップ に定評のあるトップ選手がレベルを取りこぼす事もある。 こうした取りこぼしは大抵の場合・トップ選手ならすぐに修正 してくるし、修正が可能なミスだ。
すぐに修正できそうに見えて実際にはなかなか修正できない ジャンプの回転不足とは違う。 だから今回も・むしろMizumizuには技術役員の「親心」に見えた。 次の大事な国際試合では・しっかり姿勢を保持して規定回数を しっかり回る事に注力してね・というような。 羽生選手ほどの技術力をもつ選手なら修正は容易で全然心配は いらないはず。 ところが・そうは思わないファンも多く連盟に問い合わせが 殺到したらしい。この行為自体は言論の自由が保証された社会 では特に非難されるものではないが他の選手でそういう事が 起こっても何の関心も払わない人達が・羽生選手となると 「おかしい! 説明しろ!」と急に騒ぎ立て・行動を起こし それがレフリーの事後説明という結果につながるほどの「大波」 になったということに驚かされた。 つくづく羽生結弦というスケーターの影響力はすごい。 この問題が「大波」になった背景にあるのはスピンの点数が ノーカンになった事で・又・それが羽生結弦という世界トップ のスケーターだったという事で海外のフィギュア関係者も「なぜ?」 と理由をさぐろうとし・SNSですばやく自身の見解を発信した事・ そして発信した人はそもそも「判定がおかしいのでは?」と思う 人達なので性急に判定の根拠を独断で決めつけてしまった事だ。 メディアも小塚氏や織田氏に質問をして彼らも答えているが そもそも技術役員が見るようなビデオを見る事ができないまま 「答え」を急に要求されても分からない場合があるのは当然だ。 フィギュアの採点は技術役員(レベル認定をしたり回転不足等の 要件を審査する)と審判員(GOEをつけたり・演技・構成点を つけたりする)が分業で行うのに対し・解説者の立場で見ている 元トップ選手は・この2つの分業を統合した解説が求められるから スピンの回転数まで技術役員と同様の判断がすぐにできる訳がない。 それでもスケーター関係者は・だいたいが「直前のツイズルが ステップとみなされた」「シットポジションでの回転数が足りなかった」 の2つの可能性--表現はそれぞれ少し違うものの--に言及して いたように思う。 別にいろいろな人がバラバラな可能性に言及していたわけではない。 で・試合後にレフリーが説明をして技術役員の判断そのものは すぐにクリアになった。 https://news.yahoo.co.jp/articles/4abf36452d8302fc3bc15402d0b8749d383cc570 関連するルールは『シット・ポジションの為には回転脚の大腿部 が少なくとも氷面に水平』 『スピンの姿勢が成立するのは連続した2回転が必要』 『足換えあり一姿勢のスピンの場合にはSPではどちらか一方の足で 姿勢が成立していなければノーバリュー(0点)になる』で これらは・今季からの新ルールプロスパーというわけではありません。 羽生選手の足替えシットスピンについては足換え前はシット・ポジション が成立していますが足替え後は2回転連続したシット姿勢がなく シット・ポジションが成立しておらずノーバリューという認定になりました」 これ以上ないくらい・とても明快。 これ迄はファンや一部の関係者が騒いでも公けに判定の根拠を明らか にしてこなかった連盟だが流石に憶測が一般人の誤解を呼び それが陰謀論につながっていくのは(しかも・ネット時代になって そのスピードが驚異的になった)まずいと判断したのか・あるいは 判定に間違いはないと確信して・これなら公けに公表しても大丈夫 と思ったのかフィギュアスケートとしては「異例の」事後説明となった。 「説明しろ」の声に応えるのがまずいのは・それが際限なく広がって しまうことへの危惧もある。 多くの選手の「ノーカン」の説明を事後に行うとしたら関係者の疲弊は はかりしれない。 又・説明したところでその判定に納得しない人もいる(納得しないのが 間違っているという意味ではない)ので・そうした人達から審判員を 守る意味もあるかもしれない。 しかし・これは他の競技を見ても明らかに時代錯誤の考えだ。 そもそもフィギュアは細かい要件を定めているわりには判定に使う カメラの数や精度も含めて十分ではなく・おそらくは 「見逃されている」場合も多いと推定される。 ショートでは、要件を満たすかどうかで減点も厳しい。 例えば・今回の「羽生結弦スピン0点問題」だが「おかしい」と騒ぐ ファンは・どこをおかしいと思ったのか・それを分析してみただろうか? ●スピンの名手・羽生結弦のスピンがいきなり0点になるなんておかしい 絶対sage採点だ! という結論になったとして・もしそれが「見た目に工夫のあるステキ なスピンだったのに0点なんて宇野昌磨をageる為の忖度だ」というだけ では、ただの思い込みで、まったく説得力がない。 トップ選手はスピンにもいろいろな工夫をこらすがゆえに・そちらに 気を取られ・基本要件を満たさないことだってある。 ●解説者も含めて・すぐに分からないミスで「0点」はないんじゃない? これはある程度・Mizumizuも同意する。 フィギュアの採点は要件が細かく定められており(ロシアの重鎮 タラソワもアイスダンスの規定に関して「つば吐きたくなるほど」 と批判している)しかも・頻繁に要件が変わる為・益々分かりにくい 競技になり・それがファン離れを招いている。 同じミスでもショートとフリーでは減点が違う場合もある。 これは旧採点時代からの伝統を受け継ぐ意味もあるかもしれない。 一般のファンにはショートとフリーは単に短いプログラムと 長いプログラムに見えるかもしれないが実際には意味合いが違い ショートでは「求められる要件を失敗なく」行う事が厳密に 求められている。 これはこれで筋は通っているのだが Mizumizu個人としては それをもっての大きな減点には反対だ。 たとえば女子の宮原選手はショートでループが2回転になって しまった為「0点」になってしまっている。 ジャンプの点数は非常に大きいから2回転ジャンプの基礎点すら 貰えないと・もはやその1つの失敗で「優勝」の可能性はほぼ (100%ではないが)消えることになる。 ショートでの1つのジャンプミスで優勝の文字がほぼ消える。 これはまさに旧採点時代もそうだったからフィギュアスケート はそういうものだ・と言えばそのとおりだが見ているほう には勝負の面白さをそいでいるとしか言えない。 旧採点時代と違って積み上げた点数で勝負が決まる今のルール では、なおさら、ショートでの大減点に意義は見いだせない。 そもそも最近はトップを争う選手達の点差が何十点と開きすぎる。 それもこれもジャンプの基礎点に問題がある。 2回転・3回転・4回転の基礎点をもっと接近させるべきで 加点・減点をこれほど派手にする必要はない (5段階に細かく分けることには反対しないが「重みづけ」に 問題があると思っている)。 ●本当は羽生選手はちゃんと2回転回っていたのにミスジャッジ だったんじゃない? この可能性は指摘された箇所をスロー再生して見れば限りなく 低いと思う。 「羽生選手の足替えシットスピンについては・足換え前は シット・ポジションが成立していますが足替え後は2回転連続 したシット姿勢がなく」というのが今回の判定の根拠だった。 足かえ前の姿勢についてもやや不安定だったので・それが判定に 影響したのではと指摘している人もいたが・実際には問題になった のは足かえ後。2回転せずに姿勢をほどいてしまったという事だ。 確かに少しだけ2回転には足りなかったかもしれない。 それを2回転回ったと判断することもできたかもしれないが レビューで「やはり足りていない」と判断したということ。 そこに忖度が介入していく余地は多いにあるが・だからといって 2回転回っていないものを回っていないと判断しただけの技術役員 を非難するのは間違っている。 今回・技術役員は細かく見て・しっかり彼らの仕事をした。 全員のスピンをまったく同様に厳しく見たかと聞かれれば・ それを「そうだ」と証明するものは何もないが・今回の案件に 関しては、ミスジャッジとは言えない。 だから結論を言えば・今回の「0点」問題は・問題があると すれば・技術役員のジャッジングの問題ではなく・ 非常に細かいミス・普通に見ている分にはスケートのプロで さえ分からないミスでショートではいきなり「0点」にして しまうルールにある。 でもさ…それって今更だと思うのだ。 これ迄だってそういう事はあった。Mizumizuは何度も要件認定 での減点が大きすぎる。技術役員が「厳しく」見る事に反対は しないが・人間である以上・見逃しも・あるいは政治的な意味 での忖度もないとは言えないのだから・それに対する減点や加点 の反映割合をもっと抑えるべきだと主張している。 今回・ファンの声に押されて連盟が「異例」の公式説明を行ったが これが時代錯誤の「フィギュアスケート村の論理」に穴をあける 役割を果たしたのなら一歩前進ではないかと思う。 説明したがらない理由も「村民」の立場になれば分かる。 一番は回転不足判定だが・技術役員がその場その場できちんと 判断しているつもりでも実際には全員を公平に見ているかといえば おそらくそんなのは人間の能力を超える事なので 「このジャンプは何度足りてないと判断しました」と「説明」 したら・じゃあ、こっちのジャンプはどうなんだ・と玉石混交の 「検証ビデオ」がYou TUBEに大量にアップされるだろう。 AIを導入しろという意見も増えているが・離氷場所・着氷場所 をポイントで規定する事から始めなければならずジャンプの 種類も多く・しかも見る方向によって違って見えるという フィギュアスケートのジャンプの特性を考えると非常に困難だと思う。 回転不足を細かく見る事に関してはISUは絶対に譲れないらしく 「q」マークまで導入され技術役員の仕事は益々大変になっている。 同じ主張に戻るのだが・技術役員が「細かく」或いは「厳しく」 見る事にはMizumizuは反対しない。 忖度が介入するかもしれないしミスもあるかもしれない。 ただ「フィギュアで何が大事か」という点を明確にする上では 欠かせないジャッジングだろうと思う。 問題は・その重みづけなのだ。基礎点のバランス・派手な点差 を生む減点・加点。 これらを見直すべきだと・この考えに変わりはない。 By Mizumizu ---------------------------- あと1時間で女子のフリーが始まる。 紀平梨花選手の「柔らかさ」と坂本かおり選手の「豪快さ」 の戦いになると思う。帰って来た三原まい選手の頑張りにも 期待したい。大統領選のお話は又 夜中に・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
December 27, 2020 05:51:31 PM
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