131.サイパン島の玉砕(1) 観光客の七割以上が日本人ということです
(カモメ)だいぶ涼しくなりましたね。ふう。(ウツボ)どうしました。カモメさん元気がなさそうだけど。夏バテですか。(カモメ)そうかもしれません。この夏は少し泳ぎすぎました。体がだるい感じで。(ウツボ)体力調整をして、元気を回復したほうがいいね。今年も、光市の虹ヶ浜に行かれたのですか。(カモメ)いえ、今年は仲間と岩国市由宇の「潮風公園みなとオアシスゆう」で泳ぎました。(ウツボ)ああ、潮風公園ですね。きれいな浜辺ですね。確か平成17年7月にオープンした全長450メートルの人工海水浴場ですね。よく行ったの。(カモメ)ええ、今年はもう日曜日毎に。そうそう、渚さんとアオザメさんが来ていましたよ。(ウツボ)ほう、そうですか。あの人たちも泳いでいたの?(カモメ)いや、普通の服装でしたね。シートを敷いて、アンティークショップの深海堂さんと三人で飲んでいました。食べ物も信じられないくらい、どさっと山盛りに広げて。渚さん、ばくばくよく食べていましたね。俺たちも少し、ご馳走になりましたけど。(ウツボ)ハハハ。渚さんは、「食べることが趣味です」と言っていたくらいだからね。(カモメ)ヒラメにも出会いましたよ。(ウツボ)えっ、彼女もビール飲んでいたとか。(カモメ)ハハハ、さすがにそれは。俺の知らない女の子と二人で泳いでいました。(ウツボ)いいねえ。女の子二人連れの海というのは。なにか期待感がある情景だね。話したの。(カモメ)いや、お互い、ちょっと手を振り合っただけです。ところが、その時、俺の友人たちが「あの彼女を知っているのか?」などと言い始めて、合流したいそぶりを見せたのです。俺は「ほっとこうぜ、親戚だからまずい」といって阻止しました。(ウツボ)どうして、若者どうしが一緒に楽しく過ごせば、いいじゃないですか。(カモメ)いえ、それが、一瞬、ヒラメと合流したことを想像してみたのです。すると、なんだかめんどうくさくなって。(ウツボ)ハハハ。カモメさん、考えすぎですよ。気楽に楽しくやれば。ヒラメもひょっとすると合流したかったのじゃないかな。お互い夏のひとときの楽しい思い出ができたかも知れない。(カモメ)そうですね。俺はどうもリスク・ヘッジばかり、先に考えるので、動きが遅くて。あとで悔やむことが多いのです。(ウツボ)そういう時には、まず飛び込んで、その場でリスクをゼロにする努力をすれば。努力して結果が出れば、良かろうと悪かろうと、自分なりに納得できます。もし飛び込まなければ、確かにリスクはないが、思い出も得ることができないのでは。それで後で、あの時飛び込んでおけば良かったかも、という思いがつきまとう。けれどもそういう場面は人生で二度と来ないかも知れない。(カモメ)あの、ウツボ先生、それほど深刻な話ではありませんので。(ウツボ)ハハハ、そうですか。それならいいけどね。(カモメ)ところでウツボ先生は潮風公園に行かれましたか。(ウツボ)俺はね、夏は海水浴客でいっぱいだから行かないが、秋になると、よく行きます。この間も行ってきた。浜辺の上に1200メートルの遊歩道があるので、潮風に吹かれてぶらぶら歩きます。(カモメ)ああ、散歩ですか。いいですね。(ウツボ)そうですね。夕方に、人がまばらのときに、散歩して、腰を降ろして、海を見ながら煙草をふかしています。(カモメ)煙草をふかしながら、人生を考える。(ウツボ)ただボーとしているだけだよ。さあ、そろそろ、本題のサイパン島の玉砕に移りましょうか。(カモメ)分かりました。まず現在のサイパン島から入りましょう。現在のサイパンは、北マリアナ諸島に属している島ですね。東京から2500キロの距離ですね。(ウツボ)サイパン島は南北20キロ、東西4~10キロの小さな島で、三方をサンゴ礁に囲まれている。(カモメ)そうですね。熱帯地方なので四季がなく常夏の国ですね。気温は年間を通じて42~43度。また毒蛇や猛獣もいませんので、住民にとっては非常に住みやすい島ですね。(ウツボ)現在の北マリアナ諸島はアメリカ合衆国に属する保護領で自治区だね。サイパン島、ロタ島、テニアン島など、南端のグアム島を除く14の島から構成されている。首都はサイパン島のススベだね。グアム島は米国の正式の領土なので北マリアナ諸島には属さない。(カモメ)北マリアナ諸島は人口約8万人で、チャモロ人、カロリアン人で占めています。大統領制で二院制議会ですね。(ウツボ)そうだね。自治政府による内政は認められているが、国防と外交は米国が行っている。(カモメ)観光業と繊維業が盛んですが、観光客の七割以上が日本人ということです。(ウツボ)そうだね。特にサイパンは日本人に人気がありますね。