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2006.11.24
テーマ：意外な戦記を語る(748)
カテゴリ：２．２６事件
（カモメ）ここらあたりで、２．２６事件の状況を簡単に述べておきましょう。
（ウツボ）そうだね。 （カモメ）「戒厳指令・交信ヲ傍受セヨ」（日本放送出版協会）によると、２．２６事件とは、かねてから昭和維新を呼号してきた陸軍の一部青年将校が下士官兵約１５００名を率いて決起、クーデターを決行した昭和１１年２月２６日早朝から収束した２９日までの４日間の出来事を指すとあります。 （ウツボ）簡単に言えば、皇道派の青年将校が幕僚を中心にした統制派の軍政に不満を持ち、海軍出身の岡田啓介首相ら重臣を狙い政府転覆を謀るため決起したクーデターだ。 （カモメ）「戒厳指令・交信ヲ傍受セヨ」（日本放送出版協会）によると２．２６事件の決行は次のように行われた。最初に、所沢飛行学校学生・河野寿大尉は軍曹１名と民間人６名を率いて湯河原の前内務大臣・伯爵・牧野伸顕を襲ったが、牧野伸顕は脱出した。 （ウツボ）野戦重砲兵第７連隊の田中勝中尉は下士官兵１３名を率いて乗用車、トラック、サイドカーで襲撃の輸送任務に当たった。 （カモメ）第１師団歩兵第３連隊の安藤輝三大尉は下士官兵約１５０名を率いて麹町三番町の侍従長・鈴木貫太郎海軍大将を銃撃、安藤大尉がとどめを刺すのを止めさせた為、鈴木侍従長は一命を取り止めた。 （ウツボ）第３連隊の坂井直中尉は、高橋太郎少尉、麦屋清済少尉、野戦重砲第７連隊の安田優少尉（砲工学校学生）とともに、下士官兵約２１０名を率いて四谷仲町の内大臣・斉藤実海軍大将を銃撃、殺害した。 （カモメ）第３連隊の野中四郎大尉は常盤稔少尉、清原康平少尉を従え、下士官兵約５００名を率いて警視庁を占拠した。 （ウツボ）第１師団歩兵第１連隊の栗原安秀中尉は林八郎少尉、池田俊彦少尉、豊橋教導学校教官・対馬勝雄中尉とともに下士官兵約３００名を率い、首相官邸に向かい、首相の岡田啓介海軍大将と間違えて秘書官・松岡陸軍大佐を殺害した。 （カモメ）第１連隊の丹生誠忠中尉の率いる下士官兵約２７０名は陸相官邸に向かった。これに参加したのは、第１旅団副官・香田清貞大尉、豊橋教導学校教官・竹島継夫中尉、山本又予備少尉、村中孝次元大尉、磯部浅一元一等主計。彼らは陸相官邸、陸軍省、参謀本部、陸軍通信所を占拠した。 （ウツボ）近衛歩兵第３連隊の中橋基明中尉、今泉義道少尉、鉄道第２連隊・中島莞爾少尉（砲工学校学生）は下士官兵約１３０名を率いて赤坂表町の高橋是清大蔵大臣を襲い殺害した。 （カモメ）安田優少尉と高橋太郎少尉は小隊を率いて荻窪の教育総監・渡辺錠太郎陸軍大将を軽機で殺害した。 （ウツボ）２・２６事件の状況は以上だが、この後陸相官邸で事件を起こした青年将校と軍上層部との折衝が行われたが、天皇が激怒され、結局反乱軍と決め付けられ、鎮圧軍が出動した。 （カモメ）その後も陸相官邸で反乱青年将校と陸軍首脳は折衝を続けたが、反乱軍と鎮圧軍は対峙し皇軍合い撃つ情勢になった。 （ウツボ）だが、結局青年将校は自決した野中四郎大尉と河野寿大尉を除き全員投降を決し、逮捕された。後に軍法会議にかけられ１５名が７月１２日に処刑された。連座した北一輝、西田税も処刑された。 お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
最終更新日
2015.09.13 15:40:13
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