文庫本を買う訳の4番目の理由に文庫版に際して書き下ろされた「あとがき」を読むのが楽しみだと書いた。さらにこのごろ、外務省のラスプーチンと呼ばれた佐藤優という作家の本を読んでいると書いたが、彼が出所後の2006年から2007年にかけて「フジサン ケイ ビジネスアイ」に連載したコラムの単行本(2007年)の文庫版『地球を斬る』(2009年)を購入したが、これには少し驚いた。
というのも、文庫版序/文庫版あとがきが、400字詰原稿用紙にして約100枚新規に書きおろされているのだ。単行本化にあたっても、新聞連載を再録しするのではなく、記事ごとにキーワードとなる語彙に解説を付け、時間の経緯がもたらした結果を検証し、予測が外れた場合はその分析を付しているので、その時点で新しい読み物になっているにもかかわらず、単行本から文庫版にするにあたっても、序というかたちでかつての文章を検証しているのだがら、これは元「分析官」とはいえ、そのこだわりに脱帽せざるを得ない。
こうした書き手がいるかぎり、やはり文庫版も購入せざるをえないのである、と自身を納得させるしかない。あぁ。
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最終更新日
2010/02/21 03:50:23 PM
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