ブロッコリー
日本での主産地は北海道(2012年収穫量:22,600t、栽培面積:2,440ha)、愛知県(同:15,700t、951ha)埼玉県(同:14,900t、1,260ha)であり、市町村別では愛知県の田原市が全国で最も生産量が高い。常温でも外見が変化しないカリフラワーに対し、ブロッコリーは収穫後ただちに低温保存しないと変色が進んでしまうことから、保存技術が未熟だったかつては、ブロッコリーの流通量は、カリフラワーに大きく水を開けられていた。しかし低温流通技術の開発や家庭における冷蔵庫の普及により、1980年代頃からブロッコリーの生産・流通が急速に拡大。現在、東京都中央卸売市場における取扱量では、ブロッコリーが約13万トン、カリフラワーは約2万トンと、かつての状況とは完全に逆転している。緑色の花蕾と茎を食用とする。ビタミンB、ビタミンC、カロテンや鉄分を豊富に含む。日本では茹でてマヨネーズなどの調味料をつけて食べることが多いが、欧米ではサラダなどで生食されることも少なくない。スープやシチューの具、炒め物、天ぷら、糠漬け(主に茎)にすることもある。茎の部分の外皮は、繊維質で硬く食感が悪いことがあり、その場合は剥いてから調理するとよい。保存温度は低いほうがよく、野菜室程度の温度では花蕾が育ち花が咲くこともある。そうなると味と食感が落ちるが、食用は可能である。花蕾と茎を5ミリメートル大に細断した「ブロッコリーライス」が生産・販売されている(野菜を米飯の代用品とする「ベジライス」の一種)。また、発芽したての子葉と胚軸を、カイワレダイコン同様スプラウト(もやし)として食用にする事があり、ブロッコリースプラウトと呼ばれる。薬効作用と薬物相互作用実験動物を対象とした試験において、いくつかの薬効作用と薬物相互作用が報告されている。スルフォラファンはイソチオシアネートの一種でアブラナ科野菜の中でもブロッコリーなどに含まれ、がん予防効果、ピロリ菌抑制効果等があるとされている。含有する成分のブロリコが、糖尿病による健康状態の悪化を改善する効果あると報告されているが、一方で「薬剤性肺炎」が発生したとの報告がある。ラットを用いた動物実験で、Indole-3-carbinol (I3C)は子宮癌を促進したとの報告がある。抗がん剤の作用を減弱する薬物相互作用を有する可能性が報告されている。「ブロッコリー」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2020年4月24日 (金) 04:40 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org