もうすぐ村人じゃなくなる
all photos in this post are taken by Chen, Chang-Chih unless otherwise indicated.- - - - - - - - - ども。僕と同じく日本人の滞在作家東野哲史さんのためのお別れ会が昨晩あり、しこたま飲んで、ひさびさに記憶があやうい奥村です。台北での滞在も残り一週間。語学学校もおわり、藝術村でのイベントも先週末のオープンスタジオで終了。オプスタの準備と同時進行でかなり大きな翻訳の仕事をしてたってこともあって、奥村、燃え尽きた、燃え尽きたよ。このオープンスタジオで、もちろん自分のスタジオでも新作を見せようと思ってたんだけど、忙しすぎて何も作れなかった。というか、前ちょっと書いたけど、このオープンスタジオのために、台湾人のダンサー(というか舞台女優さんといったほうが近いのかも)の劉淑娟さんとコラボレーションする舞台があって、そっちのほうにかかりっきりで(ボツも含めて5、6個映像を作ったので)。なので、僕のスタジオでは、2005~2006年に作った映像作品をDVDで見せた。観客の人がリモコンを操作して、見たい作品を見るって形で。↓こんな感じ。なぜか白黒だけど。でもこれだけじゃなく、生身の僕の体と写真とを組み合わせたインスタレーションっていうかパフォーマンスをしたのだ。...ってのはカッコだけで、単なる言い訳なんだけど。部屋の机の壁に、その机の引き出しから僕が出てきている写真作品を貼付けて、同じ服を着た僕がその場でデスクワークをしてる、というもの。まだかなりの量の翻訳の仕事があったのでちょうどいいってことで、オープンスタジオなのに仕事しちゃった。で、写真と生身の僕との関係性を気づかれたら、その人には「いやー、今朝、ニューヨークから、この引き出しを通じてこの部屋に来たんですよ。夕方、またこの引き出しに飛び込んで帰ります」と言ってみた(ニューヨークのレジデンス先で引き出しに飛び込む写真作品も前に作ってて、それがこちらで僕のアーティストカードになってるんだけど、それも机に立てかけてたので)。ま、いろんな条件をすべてクリアしたうえで、なおかつスタジオを有機的な作品空間にするための、苦肉の策っていうか単なる思いつきっていうか。あ、オープンスタジオ中に、一階のギャラリーでギャラリートークもありました。でもって肝心の舞台だけど、語りだすと長くなるのだけど、とにかく僕にとってはとても良い経験になった。最初にコラボの話があったとき、僕と劉淑娟さんのやっていることがあまりに違いすぎて、こりゃ無理だと思った。この舞台はとある中国の古い話を元にしてるんだけど、その主人公の女性の感情をいかにダンスで表現するかってことが彼女にとって大切なことで、ようするに大雑把に言ってしまえばエクスプレッショニズムなんだけど、僕はそんなことにはまったく興味がなく、とてもマテリアリズム。なので、彼女と僕がいっしょにやる必然性はないんじゃないかと思ったんだけど、いろいろ話し合ううちに、正反対だからこそやれることもあるかもなーということに。お互いががっちり絡み合うコラボというより、むしろ舞台上での彼女と僕のバトルみたいな。どこまでうまくいったかわからんけど、僕としては、与えられた困難な条件に飲み込まれることなく、かといって打ち消すのでもなく、その条件の中でなおかつ自分の仕事ができるっていう自信をもらうことができた。なんか僕の日本語変だな。まあいいや。こんな感じでしたー。photo: Wang Ya-huiphoto: Wang Ya-hui↑みずからプロジェクターを操作する奥村。さて、あとはちょっぴり旅行したりして、ついに日本へ。三ヶ月の滞在は短すぎたな。まあまた戻ってこよう。