[9] 『陰陽師』 都の守り人
「陰陽師 都の守り人」 Part9またもや、1万字超えちゃって、1回で書ききれませんでした。本日、2回目の更新です♪シーンは、鵺退治の後の続き。まだ、鈴姫の屋敷にいます。(注)これから書く「陰陽師」は、夢枕獏さんの「陰陽師」や映画「陰陽師」とは、全く関係ありませんので、ご了承下さいませ。私の趣味の一環として書かせていただきますので、よろしくお願いしますです。 「陰陽師 都の守り人」Part1 ←クリック 「陰陽師 都の守り人」Part2 ←クリック 「陰陽師 都の守り人」Part3 ←クリック 「陰陽師 都の守り人」Part4 ←クリック 「陰陽師 都の守り人」Part5 ←クリック 「陰陽師 都の守り人」Part6 ←クリック 「陰陽師 都の守り人」Part7 ←クリック 「陰陽師 都の守り人」Part8 ←クリック体から鵺が抜けた鈴姫が、力なく平伏して倒れている。博雅は、恐る恐る鈴姫に近づいた。晴明の結界も今は解かれて、鈴姫の体に触れる事が出来た。 「す、鈴姫どの?」博雅が声をかけるが、返事がない。 「晴明!鈴姫殿はどうなったのだ?」博雅は、晴明の姿を見つけて、そう聞いた。 「博雅。。。鈴姫殿は長い間、鵺に憑かれていた。 今は、夢と現を魂が彷徨っているのだ。 お前と姫は楽で強く繋がっていたな。 お前の葉二の音で、鈴姫殿を夢から覚ます事が出来るやもしれん。 だが、お前との事を鈴姫自身が覚えているかどうかは、定かではない それだけは、覚悟しておけよ。」晴明は鈴姫の青白い顔を見つめてそう言った。 「俺の事を覚えてない・・・ いや、それでもかまわぬ。 鈴姫殿がこの現世(うつしよ)に戻ってくるのなら、 俺はいくらでも笛を吹くぞ!」博雅は葉二を手に持つと、染み入るような音を響かせた。博雅の笛の音が、鈴姫を優しく包む。博雅は目を閉じて、これまでの鈴姫との楽しいひと時を想い出しながら笛を吹いた。葉二は、博雅の心に呼応するように楽しげな音色を響かせたり、そうかと思うと憂いの音色を響かせたりした。それを見た晴明は、博雅に気取られぬように、鈴姫のそばにより、その身を抱いた。鈴姫に鵺の記憶を消滅させる呪法を施す為だ。それと共に、鈴姫が博雅の事を想い出すように、ちょっとした手助けもしてやった。段々、鈴姫の顔色に赤みがさし、瞼が動きはじめる。晴明は鈴姫の身から離れ、二人から少し離れたところへ移動した。 「う。。うん。。。」鈴姫の口から声が漏れ、身をよじった。博雅は笛を吹くのをやめ、鈴姫に声をかける。 「鈴姫殿。 気がつかれましたか?」鈴姫はそっと瞼を開き、声のする方を見た。 「あなた様は? どなたでいらっしゃいます?」博雅は、すぐに答えられず、悲しげな目で鈴姫を見ていた。鈴姫は何かを思い出すように、博雅を見つめて話しだす。 「私は長い間、夢を見ていたように思います。 夢の中で、私は殿方と楽を楽しんでいました。 それは、それは、楽しい刻でございました。 あの方は。。。 葉二という龍笛をお持ちで、 私の箏の音に合わせて、吹いて下さった。 お名前は。。。そう、源博雅さま。。。 あなたは、もしや、博雅さまですか?」鈴姫は、博雅を見上げて、その手に持っている葉二を見留めた。 「あぁ!やはり、あなたは源博雅さまですね。 夢の中に取り込まれそうになった時、いつもあなたの笛の音が 私を呼び戻して下さった。」それを聞いて、博雅は嬉しくて飛び上がらんばかりだった。 「鈴姫殿! いかにも、私は源博雅です。 姫が想い出して下さって、私も救われました。」博雅はそう言うと、姫の体を抱きしめた。離れて見ていた晴明も口元に笑みを浮かべている。後は、橘是惟殿の屋敷に使いをやって、姫の身の安全を知らせてやれば良い。博雅は姫を助けた恩人として、暖かく迎え入れられるだろう。 「とりあえず、一匹は片付いたな。」晴明はそう呟くと、博雅と鈴姫を残し、鵺が消滅した後に残っていた孔雀の羽根を拾うとその場から姿を消した。[8]と[9]途中で切りたくなかったんですが、文字制限ってやつに阻まれました(2回目)博雅君は、鈴姫に自分の事を思い出してもらって、非常~~に喜んでいます。そんな、「鈴姫大好き~~」な博雅君を悲しませたくなくて、晴明さんったら、身固法は博雅君が見てないところでやってました(笑)なんとなく、博雅君と鈴姫の恋は成就しそうな気配です。応援してやって下さいね~☆(≧∀≦)☆ 『陰陽師 都の守り人』 Part10へ続く ←クリック