新国立「魔笛」は演出と日本人歌手が素晴らしい
鑑賞日:2018年10月8日(月・祝)14:00開演入場料:¥4,860 (D席:3階L7列) 【主催】新国立劇場新国立劇場 2018/2019シーズンオペラ「魔笛」モーツァルト作曲2幕(ドイツ語/字幕付)会場:新国立劇場オペラパレス指 揮 :ローラント・ベーア演 出 :ウィリアム・ケントリッジ演出補 :リュック・ド・ヴィット美 術 :ウィリアム・ケントリッジ、 ザビーネ・トイニッセン衣 裳 :グレタ・ゴアリス照 明 :ジェニファー・ティプトンプロジェクション:キャサリン・メイバーグ映像オペレーター:キム・ガニング照明監修:スコット・ボルマン舞台監督:髙橋尚史合 唱 :新国立劇場合唱団管弦楽 :東京フィルハーモニー交響楽団芸術監督:大野和士出演:ザラストロ:サヴァ・ヴェミッチタミーノ :スティーヴ・ダヴィスリム夜の女王 :安井陽子パミーナ :林 正子パパゲーノ:アンドレ・シュエンパパゲーナ:九嶋香奈枝モノスタトス:升島唯博弁者・僧侶I・武士II:成田 眞僧侶II・武士I:秋谷直之侍女I :増田のり子侍女II :小泉詠子侍女III :山下牧子童子I :前川依子童子II :野田 千恵子童子III :花房英里子感想: 9月名古屋城での野外オペラ「トスカ」はチケットを確保していたものの、雨で中止に。 10月ようやく猛暑も去って秋晴れの下、大野和士芸術監督初オペラ公演を観に初台へ出かけた。 本公演はベルギー王立歌劇場で2005年に初演されたケントリッジ氏の演出を持ってきたもの。絵画のドローイングの手法で、音楽に合わせ黒板や背景上に色のついた線で文字、記号、動物などが描かれていく。更に線や枠が動くことで立体感を持たせ、魔笛の神秘的な世界観を上手く表現出来ていた。 音楽はローラント・ベーアの指揮で、極端に抑揚を付けたり、テンポを変えることなく淡々と流れて行く印象。ただ、ジングシュピール部分のピアノは違和感があり、通常のチェンバロの方が良かった。 歌手は皆さん平均点以上で、安心して聞くことが出来た。その中でも夜の女王役の安井陽子は有名アリアの超高音部分を正確な音程で歌い、流石がでした。その他パミーナ役の林正子、侍女役3人他、日本人歌手は大変良かった。ザラストロ役サヴァ・ヴェミッチ、タミーノ役スティーヴ・ダヴィスリムは声量や音程的にそれ程でもなく、全て日本人歌手でも良かったのでは思った。パパゲーノ役アンドレ・シュエンは、他の演出作品に比べると、あまり目立った動きもなく、これは演出や指揮者の意向でしょう。 まずは作品にピッタリの演出と安定した音楽で順調に大野和士芸術監督のスタートが切れたのではと感じた。 今シーズン新国立劇場オペラ公演は再演も多いが、新制作作品に期待して観に行く予定。End