映像四郎の百人斬り

　女子高生は、人類最強の生物なのです。

　原田将人監督「バウンスｋｏＧＡＬＳ」。

　援助交際が、

　性産業に打撃を与え始めた

　バブル崩壊後の渋谷を舞台に、

　ニューヨーク行きの志を持つ「地方女子高生」と、

　渋谷を根城にするヤクザな「コギャル」との友情を描く、

　「ストリートワイズ」に満ちた映像でした。

　「地方女子高生」は、２４時間後に、

　変更の効かない航空チケットを持って、

　さらなるコヅカイを求めて、

　渋谷のブルセラショップに降り立ちます。

　脱ぎなし、本番なしのＡＶ撮影を紹介されるんですが、

　撮影場所をチンピラに襲撃され、

　泣けなしの未来の生活費３０万円を強奪されます。

　そこで、「地方女子高生」は、

　ヤクザな「コギャル」と知り合い、

　明日の出発までに、

　目標金額６０万の「援助交際」の旅に出発するのでした。

　描かれるのは、

　「コギャル」たちの独立系ＳＥＸ産業と化した

　ネットワーク体を横軸に、

　金をもったオヤジたちの歪んだ

　「金と性」を縦軸に、

　深夜の都会を駆け巡る女子高生たちの

　「地下茎ネットーワーク」と、

　何も信頼できない関係の中での「信頼関係」なのです。

　そのハードボイルドな友情は、

　目がしらを熱くするとともに、

　無条件に泣くことを拒否する、

　爽やかさに満ちていました。