映像四郎の百人斬り

　地下鉄Ａ子ちゃんは、

　オレを、地下鉄に引きずりこもうとした女友達だ。

　地下鉄Ａ子ちゃんは、結婚している。

　しかも、リタリンいっぱい飲んでる。

　電話に出ないと、電話したときに、逆切れする。

　アッパー系。

　そして、今回も、やたら、かかってきていて、

　留守電にも、入っていたので、

　電話したら、

　「半身不随」になることが確定したといってる。

　「ＳＥＸばっかしてるからだろ！」

　「してないもん！」と叫ぶが、

　この間、飲んだとき、街で見かけたおじさんと、

　ホテルにいったと、楽しそうにしゃべっていた。

　本人は、相手は、酔いつぶれていて、「たたなかったの！」

　と、ひとりで、はしゃいでいたが。

　「背骨が、砕けるまで、ＳＥＸしてんじゃねえよ！」

　といったら、泣きだした。

　しゃれなのに。

　というより、背骨が悪いと、前からいってたけど、

　飲むとき見てると、いつも、ぽてんぽてんと、転がっている。

　酒とリタちゃんが、融合して、

　身体のスイッチが切れてしまうらしい。

　そうやって、何度も、転んでいるから、

　背骨を損傷してしまうのだ。

　しかし、去年は、乳癌で、死ぬっていってたし、

　でも、生きてるし、

　リタちゃんは、自白剤の役目もしてしまうようだから、

　きっと、不安なことを、洗いざらい、

　大きくいってしまうのかもしれない。

　真実は、わからないけど、

　地下鉄Ａ子ちゃんは、

　地下鉄Ａ子ちゃんの真実をいきてるのかもしれない。

　しかし、地下鉄Ａ子ちゃんなら、大丈夫だ。

　不死身だし、たとえ、半身不随になろうとも、

　逞しくいきていけるはずだ。

　とにかく、われらは、「飲み友達」で、

　機会さえあれば、飲んであげることを、

　約束すると、泣きやんだ。

　そして、地下鉄Ａ子ちゃんとの「飲み」は、

　何故か、トライアスロンに近いのだった。