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ヒキダシ氏が 2時に上野だ
とのことで いくと めずらしく 早くついたていたヒキダシ氏から 電話があり「ここはどこだ!」 と叫んでいる 上野は意外と複雑だ なんとか合流し 昼間から酒を飲む予定だったのだが 急遽予定が変更され 薬師寺の2大仏を見てきた 大量の人間が 若い人まで 見にきているので 驚いた 国宝とはいえ なにゆえ ゴールデンウィークを使って 仏像などという辛気くさいものを見にくるのだろうか しかし 実物を見ると その意味がわかった 身の丈4mほどの巨大な金属が 黒々と輝いている 今にも動きだしそうだ 1200年前とは思えない 精巧なつくりで いや昔だからこそ 逆に精巧なのか 薬師寺の大将を残して2TOPが 東京に降臨していた このとき わたしは ガンダムを理解した このとき わたしは ウルトラマンを理解した ガンダムもウルトラマンも いずれの巨大駆動物体も 仏像が源流にあったことを… うしろのほうから 若い女性から 仏像に向けて「素敵」と声がこぼれる 21世紀初頭 極東アジア日本において 果たして 仏像が 素敵であってよいのだろうか 「なんだ、ありゃ!?」 ヒキダシ氏が声を荒げる 仏像が 指で丸を作っている 「全てはALL OKってことか! 善悪無差別テロでALL OKってことか!」 と危険なことを口走っている ホトケの世界観は でかい… でかすぎる 見物している人間たちとの対比で その重量感は 否応にも増す 二体のホトケは 中肉中背で 過敏に動ける中年オヤジのようだ 「こいつら いいもんくってますね」 いきなり動き出して 殴られたたら 人間の顔面など粉砕されること この上ない そんな危ないホトケじゃないと思うけど 続いて 玄奘の木造 リアルな日本人顔が 時間で煤けて 希薄になっているが 手には Vサイン 今では はずかしいこのポーズも 1200年前から 先取りしていたことを考えると 早すぎる 新しすぎる 「なんでピースしてんだよ!」 どう考えても カメラ目線な三蔵法師像に向かって ヒキダシ氏が叫ぶ この展示会のテーマは 「全てはALL OK!で VICTORY!」 80年代後半 ジャンキーバイオレントロッカーとして 生きたヒキダシ氏は 人生の引っ掛かりを この展示によって 全て許されたらしい 「おれは 間違ってなかった」 そういうことでいいのだと思う その後 上野と 御徒町の間の 路上中華店で飲んだ 頭上には 轟音で JRが通り過ぎていく 話す声も 時折 轟音に紛れて聞こえない 「ここはどこだ!」 ヒキダシ氏が叫ぶ 「御徒町です」 酒が入ると 短期記憶に支障が出て 時には 80年代と接続してしまうらしい しかし 彼は過去には生きていない 雑多な人ごみの中 二線のレールの下 昼からビールをたしなんでみた お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 6, 2008 11:02:13 PM
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