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「もっと潜るんだよココに
この9×9 81マスに潜るんだよ どこまでも どこまでも 深く深く この盤に潜るのが将棋指しだ」 ―柴田ヨクサル『ハチワンダイバー』 五月の屋外プールは、冷たかった。 潜るのは苦しい。 しかし、ある臨界点を超えると、 すっと、楽になる。 高校生のころ、水泳部を一年間だけやった。 それなのに、ここでは、このマンガでは、 将棋の盤の中に潜ってしまう。 技術を超えた、たましいの世界へとダイブ。 深く潜って、水と一体化して、 流れを持って帰ってきた方が勝つ。 だけど、この潜水の、達する深度は、 勝ち負け、善悪を超えた、たましいの領域だ。 しかも、人間、日常が慣れで進行すると、 この潜ることさえ、忘れがちになってしまう。 いや、潜ろうとして、潜るというより、 気がついたら、潜ってしまっていた。 そんな感じで、いわば、他動的に、 潜水は、やってくるのかしれないが、 そこには、やはり、芯の部分に、 潜水への志向がなくては、移動は起こらない。 そこで、試しに、風呂で潜ってみたのだが、 ごぼごぼと、音が歪曲し、きゅっきゅっなどと、 脚や肘が風呂桶と擦れあう音がして、 鼻もツンとしてくるし、がばっと浮上したら、 空気がビールより美味くて、水面に、鼻水が浮いていたら、 怒られるんじゃないかと、どきどきしたが、 たまには、潜ってみるのも、一興だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 17, 2008 01:52:02 AM
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