写真作家が、若者から質問を受けて、
それに答える形の講演録。
この人は、言葉の先に行こうとしている写真家だった。
コンセプトよりも、
皮膚感覚で、路上をサーチしていく。
こんなのを撮ろう、と考えるよりも先に、
街に紛れ込み、シャッターを切っていく。
断片を目指す。
断片でも、見る人によって、
なんらかの、叙情がはいりこんでしまう。
それでも、断片を目指す。
しかし、その断片を目指そうする意思は、
考えや、言葉の先に行こうとするためのものなので、
その断片化という考えさえ、膨大な写真の量で、
洗い流していく。
言葉と像の間を、揺れ動きながら、
撮り続ける。
この人にとっての写真とは、
撮るという行為の中にしかないのかもしれない。
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Last updated
September 28, 2008 12:55:52 PM