カテゴリ:映画
『沈まぬ太陽』 原作のすべてが到底収まるはずはないとして、それでも3時間半。原作を読んでいない人にどんなふうにこの話が伝わるのかなあ、と…。
私と『沈まぬ太陽』との出会い・・・、それは、 市の図書館に「リサイクルコーナー」なるものがあり、古くなった書籍、雑誌が置いてあり、ご自由にお持ち帰りください、となっている。 たまたまそこで、『沈まぬ太陽』5巻を揃って見つけ、持ち帰って読んだのがこの春。 中でも、御巣鷹山について書かれた3巻の、綿密な取材に基づいた壮絶な描写には予想していなかっただけにものすごく圧倒され、山崎豊子なる作家の偉大さを始めて知った次第。 テレビで「大地の子」は見たけれど、「白い巨塔」も「華麗なる一族」も見てなかった。 で、これは他の作品も読まねば、その時は思ったのだが、結局それっきりで…。
渡辺謙は、かつて山崎豊子に「先生の作品の主人公の中で一番演じてみたいのは恩地元です。」と手紙を書いていたそうだ。 その想いは、映像を見ていてもよくわかった。 「俺の矜持が許さない」というひたむきな潔さだけでなく、融通の利かない不器用な格好悪さもちゃんと背中から感じられる。
面白い、と言っていいのかわからないけど、次から次へと「おっ」と思うような役者が数珠繋ぎのように画面に映るのに、ちょっと目が釘付け。最後の最後にもダメ押しのように「あの人」が…。 クレジットに流れる名前の中には、出ているのに気付かなかった人も…。面目ない。 山崎豊子の作品が映像化される、ということのオオゴトさ、なんだろうな。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|