カテゴリ:演劇
演劇倶楽部『座』第27回公演 詠み芝居『歌行燈』
演劇倶楽部『座』の詠み芝居は2度目。 小説の「 」の部分を役者さんが演じ、その他の地(というのかな)を語り役が語るスタイル。これに趣のある舞台装置や音楽が加わることで、自分なりに読んだはずのお話が、まるで別のもののように感じられ、なんとなく読み飛ばしてしまっていた部分が、実は素晴らしい描写だったりして、言葉というものの力に圧倒される。
今回の『歌行燈』、難解な泉鏡花の作品であるので、当然予習。が、1度読んでも2度読んでも、さっぱりわからない。芸の出来ない芸者のお三重の出てくる部分はなんとなく読み進むんだけど、前後のつながりとなると今ひとつわからない。 私頭悪いんじゃなかろうかと思いつつ、劇場の入り口をくぐる日になってしまった。
休憩無しの2時間は、ちょっと辛かったけれど、なぜちっとも理解できなかったのか、ようやくわかる。時間と場面が入り組んでいて、お話が語られる視点も次々交代してたのね。 終わってみると、とても味わい深い話なんだとわかった。
う~っ、さっぱり理解できなかった自分が情けない。
さて、やっぱり読んだときと同じで、お三重の出ている場面が、一番見栄えがする。 が、今回は語りだけでなく宗山という目の見えない役を演じた壤先生。 やっぱり発声といい演技といい、別格だった。お能をされていることは知っていたが、謡の怖いような迫力で圧倒された。
この「詠み芝居」、本当に一度観てみないとわからないんだけど、すごく素晴らしい。物語の本質的な部分に、普通のお芝居以上に触れられる感じがする。 是非、お勧めしたい。
壤先生の詠み芝居にはいつも生演奏が入るのだが、今回は中村 明一さんという方で、尺八の第一人者だそうだ。お芝居に素晴らしい音楽を添えてくださった。が、マイクが入っていたので、目の前で吹いているにもかかわらず、あんまり生演奏という感じがしなかったのが、ちょっとひとつだけ残念。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Nov 3, 2011 07:20:20 PM
コメント(0) | コメントを書く
[演劇] カテゴリの最新記事
|